「中小企業の省エネ・脱炭素に関する実態調査」 の集計結果について ~エネルギー価格上昇に約9割が「影響あり」。約7割が省エネなどの脱炭素に取り組み、 4社に1社は温室効果ガス排出量を測定~

日本商工会議所ならびに東京商工会議所(ともに小林健会頭)は、標記調査を実施し、別添のとおり結果を取りまとめましたので、お知らせいたします。

<調査結果>

 本調査は、大企業のみならず中小企業においても脱炭素経営に向けた取り組みが急速に広がり始めている中、中小企業の脱炭素への取組状況・課題・政府等へ期待する支援内容等の現状を把握し、今後の要望活動に活かしていくために実施しました。調査結果のポイントは以下のとおりです。

(1)調査地域:全国47都道府県                      (2)調査期間:2024年3月20日~4月26日 

(3)調査方法:WEB回答              (4)回答企業数:2, 139社

(5)回収商工会議所数:200商工会議所

 

調査のポイント

エネルギー価格上昇による影響と対応状況

  • エネルギー価格上昇により、約9割(88.1%)の企業が経営に影響を受ける。「影響は深刻で、今後の事業継続に不安がある」とする企業も約1割(9.2%)。
  • 価格転嫁の状況では、半数以上(51.8%)が「価格転嫁できている」と回答。「影響は深刻で、事業継続が不安」と回答した企業に限ると、「ほとんど・全く価格転嫁できていない」との回答が合わせて55.8%と半数を超える。

脱炭素に対する取組状況と課題

  • 中小企業においても、約7割が「省エネ型設備への更新・新規導入」などの脱炭素に関する取り組みを実施。
  • 「エネルギーの使用量・温室効果ガス排出量の把握・測定」は4社に1社(25.0%)が取組んでいるが、従業員数20人以下の企業では1割を切る。
  • 相談先は、設備機器メーカーが最多。次いで、電力・ガス会社、取引先の順。
  • 脱炭素に取り組む理由は「光熱費・燃料費の削減」が75.2%と最多。「企業としての評価や知名度の維持・工場」(30.5%)、「ビジネス環境の変化や技術革新への対応」(25.6%)など、企業ブランディングや経営革新につなげようとする動きも。
  • およそ4分の1(25.7%)の企業が取引先から温室効果ガス排出量の把握・測定」などの要請を受けている。
  • 取り組むハードルについて、半数以上(56.5%)が「マンパワー・ノウハウが不足」と回答。

期待する脱炭素支援

  • 政府・自治体に求める支援としては「省エネ設備・再エネ導入等に対する資金面での支援」との回答が71.3%と最も多く、資金面でのサポートを求める声が多い。

ご参考

日本・東京商工会議所では、中小企業の脱炭素の取組み支援のため下記事業を実施しています。

日本商工会議所:「商工会議所CO2見える化サポート(見えサポ)」(https://www.jcci.or.jp/news/news/2024/0405160000.html)

東京商工会議所:「Tosho 攻めの脱炭素」(https://www.tokyo-cci.or.jp/carbon_neutral/)

【問い合わせ先】

日本・東京商工会議所 産業政策第二部/皆藤・高橋・平栗(TEL:03-3283-7836)