業況DIは、観光需要等が下支えし、5か月ぶり改善。先行きは、物価高・人手不足等の継続で慎重な見方(LOBO調査2024年5月結果)

 日本商工会議所が31日に発表した5月の商工会議所LOBO(早期景気観測)調査結果によると、全産業合計の業況DIは、▲11.4(前月比+2.6ポイント)。製造業は、需要が堅調な飲食品関係や自動車関係を中心に、改善した。卸売業も飲食品関係の引き合い増で、改善した。また、サービス業も、大型連休を中心とした国内外の観光需要の増加で、改善した。一方、小売業は、物価高に伴う消費者の買い控え継続で力強さを欠き、建設業は、建築資材価格の高騰や住宅関係の需要低迷で足踏みをしている。企業間取引を中心に一定程度の価格転嫁の進捗が見られるものの、輸送費やエネルギー価格、労務費の上昇分には追い付いていない。深刻な人手不足や円安等によるコスト増も継続しているが、堅調な観光需要等が下支えし、中小企業の業況は5か月ぶりに改善となった。

 先行き見通しDIは、▲13.4(今月比▲2.0ポイント)。高水準での賃上げや定額減税の開始に伴う可処分所得の増加による、個人消費の拡大が期待される。一方、歴史的な円安等で物価高が継続する中、電気・ガス代への激変緩和措置も終了となり、一層の収益悪化が懸念される。また、労務費を含むコスト増に対する価格転嫁が十分に行えていない中、深刻な人手不足による受注機会の損失も生じており、先行きは慎重な見方が続いている。

 なお、今月の付帯調査は、「設備投資の動向」、「2023年度採用実績の動向」について実施。

 詳細は、LOBO調査ホームページ(https://cci-lobo.jcci.or.jp/)を参照。