業況DIは、コスト増による需要停滞で、悪化続く。先行きは、人手不足と物価高の長期化で慎重な見方(LOBO調査2024年2月結果)

 日本商工会議所が29日に発表した2月の商工会議所LOBO(早期景気観測)調査結果によると、全産業合計の業況DIは、▲12.9(前月比▲1.5ポイント)。小売業は、消費者の買い控えは継続するものの、好調な百貨店がけん引し、改善した。サービス業は、飲食・宿泊業を中心にインバウンド回復の恩恵を受けるも、人手不足やコスト増が下押しし、ほぼ横ばいとなった。建設業は、公共工事が下支えするも、資材価格の高止まり等で力強さを欠いた。また、製造業は、企業のコスト負担増による設備投資の足踏みを受け、機械器具関係等の需要減で悪化し、卸売業でも、これらの需要減による取引減少で悪化した。物価が高止まりする中、円安や人材確保に向けた賃上げ等、コスト増が重荷となっている。深刻な人手不足や価格転嫁等の構造的な課題も山積しており、中小企業の業況は悪化が続いた。

 先行き見通しDIは、▲13.6(今月比▲0.7ポイント)。新年度を見据えた人流の増加による個人消費の拡大や、企業の新たな設備投資等の取組みへの期待感がうかがえる。一方、深刻な人手不足による受注機会の損失や、長引く物価高による買い控えの継続など、国内需要の停滞が懸念される。コスト増が継続する中、持続的な賃上げに向けた労務費を含む価格転嫁の推進や生産性向上、人材確保などの対応すべき課題が多く、先行きは慎重な見方となっている。

 なお、今月の付帯調査は、「事業継続計画(BCP)の策定状況」「デジタルプラットフォーム事業者との取引における課題」について実施。

 詳細は、LOBO調査ホームページ(https://cci-lobo.jcci.or.jp/)を参照。