「中小企業の人手不足、賃金・最低賃金に関する調査」の集計結果について~中小企業の65.6%が人手不足と回答、賃上げ実施予定の企業は6割を超える~

 日本商工会議所ならびに東京商工会議所(ともに小林健会頭)は、標記調査を実施し、別添のとおり結果を取りまとめましたので、お知らせいたします。

 本調査は、物価の高騰に加え、中小企業の深刻な人手不足もあり、賃上げ圧力がかつてないほど高まっているなか、中小企業の人手不足、賃上げ・最低賃金引上げに対する対応状況や意向を把握することで、今後の要望活動に活かしていくために実施しました。調査結果のポイントは以下のとおりです。

 

 

(1)調査地域:全国47都道府県                     (2)調査対象:中小企業 6,013社

(3)調査期間:2024年1月4日~26日      (4)調査方法:各地商工会議所職員による調査(訪問、メール等)

(5)回収商工会議所数:415商工会議所          (6)回答企業数:2,988社(回答率:49.7%)

 

調査結果のポイント

【ポイント①:人手不足の状況および対応】

           人手が「不足している」と回答した企業は65.63社に2社が人手不足の厳しい状況続く

           [業種別]「建設業」(78.9%)、「運輸業」(77.3%)、「介護・看護業」(76.9%)で8割近く、最も低い製造業(57.8%)でも約6割。あらゆる業種で人手不足の状況。

           対策として、「デジタル・機械・ロボットの活用」に取り組む企業は26.6%3割に満たない

【ポイント②:2024年度の賃上げ】

           2024年度に「賃上げを実施予定」とする企業は61.3%と6割超。昨年度から3.1ポイント増加。うち、「業績の改善がみられないが賃上げを実施予定(防衛的な賃上げ)は60.3

           [従業員規模別]5人以下の企業では、「賃上げ実施予定」は32.7%と3割強にとどまり、「賃上げを見送る予定(引下げ予定を含む)」が16.8%2割近く。

           [業種別]「賃上げを実施予定」とする企業は、「小売業」(48.7%)、「宿泊・飲食業」(54.1%)など、対消費者・BtoCを中心とする業種では他業種に比べ低い

           2024年度の賃上げ率の見通しについては、3%以上」とする企業が36.6%と4割近くに達し、昨年度から3.1ポイント増加。「5%以上」とする企業も1割(10.0%)。

【ポイント③:最低賃金引上げ】

           202310月の最低賃金引上げを受け、「最低賃金を下回ったため、賃金を引上げた」企業(直接的な影響を受けた企業)は38.4と引き続き高い水準。

           人手不足や物価上昇が進む中、「最低賃金を上回っていたが、賃金を引き上げた」とする企業は29.8昨年度から5.2ポイント増加

           2024年度の最低賃金改定に対する考えは、「引下げるべき」と「引上げはせずに、現状の金額を維持すべき」の合計は8.0ポイント増え、41.7。一方、「引上げるべき」も41.7%と4割を超える。

 

調査結果

 

 

【問合せ先】日本・東京商工会議所 産業政策第二部/清田・其田・橋本・兼定(TEL03-3283-7940