日本商工会議所(小林健会頭)は、この度「令和9年度税制改正に関する意見」を取りまとめ、本日公表いたしました。
意見書では、わが国経済が成長型経済への転換に向けた重要な局面を迎えているが、中小企業は構造的な人手不足やエネルギー・原材料価格の高止まり等により、依然として厳しい経営環境におかれていると指摘。資金調達が限られる中小企業にとって、成長投資や賃上げに向けたキャッシュフロー支援は不可欠であり、税制上の強力な後押しにより、中小企業の「稼ぐ力」を強化し、「投資と賃上げの好循環」による「強い経済」を実現すべきと主張しています。
今後、内閣総理大臣、財務大臣、経済産業大臣をはじめ政府・政党など関係各方面に提出するなど、本要望の実現に向け関係各所に働きかけを行って参ります。
詳細につきましては、以下をご覧ください。
<主な内容>
Ⅰ.円滑な事業承継に資する税制
- 事業承継に悩む全ての中小企業が活用できる新たな事業承継税制の確立
⇒事業承継税制の特例措置の恒久化(一般措置の拡充)(2028年1月以降、対象株式の拡大(最大3分の2まで→全株式)、納税猶予割合の拡大(相続の場合80%→100%)、雇用確保要件の弾力化等)
⇒幅広い層の中小企業の事業承継を促進するための制度拡充・創設(成長志向企業に対して納税額を免除する措置の導入、事業承継税制が使えない中小企業に対する一律の評価減制度の導入) 等
- 中小企業の円滑な事業承継に資する、取引相場のない株式の評価方法の確立
⇒国税庁が示す残余利益方式は、多くの中小企業の事業承継が崩壊するのではないかと強く懸念。政府の成長戦略である「強い経済の実現」「成長投資の拡大」に逆行。悪質な租税回避行為に限定した見直しを優先すべきであり、中小企業の実態に見合った評価や税負担に関する議論がないまま、評価体系全体の見直しには強く反対。
Ⅱ.飲食料品の消費税率引下げ等
- 飲食料品の消費税率引下げの影響緩和に向けた支援
⇒総額表示義務の緩和(外税表示や本体価格の強調表示等)、レジシステム・その他関連システムの改修費用の補助、還付を受けるための税額の計算方法の柔軟化、相談窓口の設置 等
Ⅲ.自発的かつ持続的な賃上げを後押しする税制
- 中小企業向け賃上げ促進税制の延長・拡充
⇒賃上げ率に対するインセンティブ強化、従業員の退職や入れ替わりの影響を軽減する仕組みの導入 等
Ⅳ.中小・中堅企業の「稼ぐ力」の強化に向けた税制
- 中小企業経営強化税制の延長・拡充
⇒成長志向企業の設備投資に対する控除率引上げ、建物取得の際の償却率・控除率、控除上限額引上げ 等
- 中小企業投資促進税制の延長
- 償却資産における固定資産税の廃止、特例措置の延長・拡充
- 研究開発に使用する設備に対する固定資産税の減免措置の創設
- 中小企業防災・減災投資促進税制の延長・拡充
Ⅴ.わが国のビジネス環境整備等に資する税制
- 中小企業向け租税特別措置の維持・拡充
- 交際費課税特例の延長・拡充
- 商業地等に係る固定資産税の負担調整措置および条例減額制度の延長
- 中小法人の税率の軽減措置(19%→15%)の延長・恒久化
- 企業の経営実態に即した償却方法の見直し(本則の基準額引上げ)
- 租税特別措置適用企業名の公表反対
- 中小企業の成長や経営基盤強化を阻害する税制措置への反対(印紙税の速やかな廃止、事業所税の廃止等)等
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