「東日本大震災からの『復興・創生』に関する要望」の公表について

 日本商工会議所(小林健会頭)は、本日(2月15日)、「東日本大震災からの復興・創生に関する要望」をとりまとめましたのでお知らせいたします。本要望は、被災地域の訪問で得られた現場の声・実情や、東北六県商工会議所連合会(藤﨑三郎助会長(仙台・会頭))、東日本大震災沿岸部被災地区商工会議所連絡会(桑原茂代表(塩釜・会頭))から寄せられた声を踏まえ、作成したものです。

 

 被災地では、新産業の創出・集積、地域資源を活用した観光振興等、創造的復興が着実に進展しています。一方、若年層の人口減少が全国に先駆けて加速度的に進展していることから、産業集積効果を最大限活用し、良質な雇用の創出や多様な人材が活躍できる環境整備等を通じた「住みたい・働きたい・戻りたい」と思える地域の魅力向上が不可欠となっています。

 原子力災害の克服と福島の再生に向けては、福島第一原子力災害の廃炉が今後30年もの長期にわたって行われることから、2025年度までとされている「第2期復興・創生期間」終了後も十分かつ安定的な制度・財源の確保が欠かせません。また、ALPS処理水の海洋放出に伴う中国等の日本産水産物の輸入規制は長期化が懸念されており、国による輸入規制の早期撤廃に向けた働きかけと、風評被害防止に向けた万全の対策が必要です。

 さらに、南海トラフ地震等大規模災害リスクが高まる中、人口減少下の地域で巨大災害が発生すれば地域そのものが消滅する事態になりかねません。過去の災害で得られた教訓・ノウハウを踏まえ、国の防災・減災対策にかかる司令塔機能の強化と、国・県・市が一体となった防災・減災対策の構築強化が求められます。

 

 こうした課題認識のもと、本要望書は、①創造的復興の実現に向けた取組みの加速・深化、②創造的復興を担う中小企業の自己変革支援、③原子力災害の克服、福島の再生の3つの柱から構成しています。

 日商では、本要望を復興庁はじめ政府等関係各所へ提出し、要望の実現に向けた働きかけを行ってまいります。

 

 

■要望項目一覧

 Ⅰ.創造的復興の実現に向けた取組みの加速・深化

  1.先端研究開発拠点の誘致・整備、企業立地・産業集積の促進

  2.観光振興による東北ブランドの確立、交流人口の拡大

  3.「広域経済交流圏」の構築に向けたインフラ整備の推進

  4.東日本大震災の記憶と教訓の伝承、各地域における災害への備えの強化

  5.創造的復興を担う中小企業の自己変革支援

 

 Ⅱ.復興を支える人材確保、起業・産業人材育成への支援

  1.復興をけん引する地域中核企業の成長支援

  2.自立に向けた資金繰り支援の継続等

  3.原子力災害の克服、福島の再生

 

 Ⅲ.「第2期復興・創生期間」終了後における財源・制度の確保

  1.ALPS処理水海洋放出への万全な対応・風評対策の徹底

  2.風評を乗り越え、自己変革に挑戦する水産事業者等への支援

  3.被害実態に合った原子力損害賠償の完全実施

  4.着実な廃炉の実現と除去土壌の早期搬出

 

 

■要望本文および概要

 ①東日本大震災からの「復興・創生」に関する要望(概要)

   https://www.jcci.or.jp/2023hukkouyoubou-gaiyo.pdf 【PDF】

 

 ②東日本大震災からの「復興・創生」に関する要望(本文)

   https://www.jcci.or.jp/2023hukkouyoubou-honbun.pdf 【PDF】

 

以上