業況DIは、3か月連続で足踏み続く。先行きは、イベント増加への期待から上向き基調(LOBO調査2025年10月結果)

 日本商工会議所が31日に発表した10月の商工会議所LOBO(早期景気観測)調査結果によると、全産業合計の業況DIは、▲18.9(前月比▲0.3ポイント)。好調な観光需要を背景に、サービス業では、旅館や観光施設で客数が増加したほか、製造業では、食料品関係で引き合いが増加し、改善した。一方、建設業では、資材価格の高騰や民間工事の受注不振などから、悪化した。また、小売業では、生活必需品の値上げに伴う節約志向の高まりから、百貨店・総合スーパー等で売上が減少し、悪化した。高水準での賃上げや暑さの緩和に伴う外出機会の増加により、消費マインドに持ち直しの兆しがみられている。一方、仕入価格に加え、一部地域で今月から最低賃金が引き上げられるなど労務費も高騰しており、業況は3か月連続でほぼ横ばい(前月比±0.9ポイント以内の推移)となった。

 先行き見通しDIは、▲16.9(今月比+2.0ポイント)。仕入価格の上昇や、最低賃金見直し等に伴う労務費の増加は継続することが見込まれるほか、今夏の猛暑の影響による生育不良で生鮮品の価格高騰や、円安の伸長が予想されるなど、先行きのコスト増を不安視する声が聞かれている。一方、高い水準での賃上げが下支えとなる中、今後の行楽シーズンの本格化やイベントの増加に伴い、消費マインドが緩やかに回復することへの期待もあり、先行きは上向き基調が見込まれる。

 なお、今月の付帯調査は、「コスト増加分の価格転嫁の動向」について実施。

 詳細は、LOBO調査ホームページ(https://cci-lobo.jcci.or.jp/)を参照。調査結果をまとめた動画(https://youtu.be/57DO7ZTdKm8)も参照のこと。