業況DIは、感染症拡大と燃油コスト増で3か月ぶり悪化。先行きは、世界情勢への不安と消費停滞で慎重な見方(LOBO調査2025年1月結果)

 

日本商工会議所が31日に発表した1月の商工会議所LOBO(早期景気観測)調査結果によると、全産業合計の業況DIは、▲15.4(前月比▲1.0ポイント)。サービス業は、感染症の拡大により、飲食・宿泊業で伸び悩みが見られ、悪化した。小売業は、初売り需要等により百貨店では好調な一方、消費者の節約志向が根強く、ほぼ横ばいにとどまった。製造業・卸売業は、気温低下から冬物飲食料品や繊維製品の需要が増加したものの、機械器具関係が振るわず、停滞した。また、建設業は民間工事・公共工事ともに伸び悩みが見られ、足踏み状態となった。コスト増が続く中、円安基調、政府の燃料油価格激変緩和補助金の縮小等、さらなる負担増加が続いている。度重なるコスト増に見合う価格転嫁が追い付かない中、深刻な人手不足も続いており、中小企業の業況は、3か月ぶりに悪化となった。

先行き見通しDIは、▲16.4(今月比▲1.0ポイント)。新年度への準備等で個人消費拡大が見込まれる一方、長引く物価高による消費マインドの低迷が懸念される。また、第2次トランプ政権の発足による世界情勢の動向を不安視する声が業種を問わず聞かれた。旺盛なインバウンド需要が続く中、中国の春節等でのさらなる期待が見られるものの、国内消費は停滞感が底堅く、先行きは慎重な見方となっている。

なお、今月の付帯調査は、「新卒採用(20254月入社)の動向」、「2025年の業況見通し」、「年度末に向けた資金繰りの状況」について実施。

詳細は、LOBO調査ホームページ(https://cci-lobo.jcci.or.jp/)を参照。調査結果をまとめた動画(https://youtu.be/q0O8RGWqVQc)も参照のこと。