業況DIは、年末需要の下支えにより、改善。先行きは、さらなるコスト増の懸念から厳しい見方(LOBO調査2024年12月結果)

 日本商工会議所が27日に発表した12月の商工会議所LOBO(早期景気観測)調査結果によると、全産業合計の業況DIは、▲14.4(前月比+1.9ポイント)。サービス業は、忘年会需要の恩恵を受ける飲食店や、インバウンド・国内観光需要が堅調な宿泊業を中心に改善した。小売業は、消費動向の二極化が継続する中、年末需要が旺盛な百貨店が全体をけん引し改善した。卸売業は農畜産水産物関係や機械器具関係の引き合い増加で改善し、建設業も公共工事の下支えで改善した。一方、製造業は、自動車関係の伸び悩み等で力強さを欠き、悪化となった。円安基調が続く中、原材料価格や電気代の高騰などによるコスト増が続いている。また、深刻な人手不足や労務費を含めた価格転嫁の遅れ等も足かせとなっている。根強い経営課題は山積しているものの、年末需要の下支えを受け、中小企業の業況は、改善となった。

 先行き見通しDIは、▲17.1(今月比▲2.7ポイント)。高い賃上げに伴い冬の賞与が増加する中、年始の初売りや次年度に向けた準備等、個人消費拡大への動きがみられる。また、決定した経済対策への期待の声も聞かれている。一方、価格転嫁による賃上げ・設備投資等に向けた原資確保、人手不足による機会損失など、対応課題は多い。また、物価上昇の中、燃料油価格激変緩和補助金の縮小等に伴うコスト増が懸念され、先行きは厳しい見方となった。

 なお、今月の付帯調査は、「2025年度の賃金(正社員)の意向」について実施。

 詳細は、LOBO調査ホームページ(https://cci-lobo.jcci.or.jp/)を参照。調査結果をまとめた動画(https://youtu.be/KHOqp-7g_98)も参照のこと。