業況DIは、個人消費の伸び悩み続き、横ばい圏内。先行きは、年末年始商戦への期待から上向き基調(LOBO調査2024年11月結果)

 日本商工会議所が29日に発表した11月の商工会議所LOBO(早期景気観測)調査結果によると、全産業合計の業況DIは、▲16.3(前月比+0.9ポイント)。製造業は、堅調な自動車関係や鉄鋼関係を中心に改善した。卸売業は、農畜産水産物関係の育成不振が続く一方、足元では天候の安定に伴い、先月の大幅悪化から改善した。建設業は、公共工事の下支えで横ばい圏内にとどまったが、深刻な人手不足を訴える声が多い。サービス業は、消費者の節約志向が続く中、電気代等のコスト増が重荷で悪化し、小売業は、買い控えの影響が根強く、力強さを欠いている。原材料価格に対する価格転嫁は一定の進捗が見られるものの、人材確保に向けた労務費や円安基調、電気代等の高騰に対する転嫁は引き続き追い付いていない。また、実質賃金の伸び悩みで消費者の生活防衛意識は高く、個人消費の伸び悩みが続き、中小企業の業況は横ばい圏内となった。

 先行き見通しDIは、▲14.6(今月比+1.7ポイント)。断続的に続く原材料価格や電気代の高騰、最低賃金の引き上げによるコスト増が続く中、深刻な人手不足や価格転嫁の遅れなど、長期的な経営課題の山積は続いている。一方、冬の賞与増加やクリスマス・忘新年会需要などの年末年始商戦による売上拡大が見込まれる。また、経済対策による電気・ガス代等の補助や給付等、政府の後押しも期待され、先行きは若干の上向き基調が見込まれる。

 なお、今月の付帯調査は、「設備投資の動向」、「デジタル化の状況」、「サイバーセキュリティ対策の取組」について実施。

 詳細は、LOBO調査ホームページ(https://cci-lobo.jcci.or.jp/)を参照。調査結果をまとめた動画(https://youtu.be/jr1CgO5cq4c)も参照のこと。