業況DIは、物価高による消費低迷が続き、再び悪化。先行きは、長引く経営課題多く、力強さを欠く(LOBO調査2024年10月結果)

 日本商工会議所が31日に発表した10月の商工会議所LOBO(早期景気観測)調査結果によると、全産業合計の業況DIは、▲17.2(前月比▲3.1ポイント)。小売業は、消費者の買い控えが重く、悪化した。サービス業は、秋の行楽シーズンで宿泊業は堅調な一方、生活関連サービス等が下押しし、悪化した。また、卸売業は、小売業・サービス業からの引き合い減少に加え、農畜産水産物関係では天候不順による価格高騰で収益悪化も見られ、悪化した。建設業は、資材価格の高騰や住宅関連の受注不振で、悪化した。製造業は、自動車関係がけん引し、改善したが、小幅に留まっている。原材料・電気代の高騰や最低賃金の引上げ等、コスト増が続いている。また、深刻な人手不足の中、人材確保に向けた賃上げ等を行っているものの、価格転嫁は十分に追いついておらず、中小企業の業況は再び悪化に転じた。

 先行き見通しDIは、▲15.1(今月比+2.1ポイント)。電気・ガス代への補助などが見込まれる新たな経済対策や、高い賃上げに伴う冬の賞与増加による消費拡大への期待感がうかがえる。一方、長引く物価高の中、実質賃金が再びマイナス転換し、個人消費の低迷が景気回復の足かせとなっている。また、コスト増や人手不足、価格転嫁の遅れ等、経営課題は長期化しており、中小企業の先行きは力強さに欠ける。

 なお、今月の付帯調査は、「コスト増加分の価格転嫁の動向」について実施。

 詳細は、LOBO調査ホームページ(https://cci-lobo.jcci.or.jp/)を参照。