5割以上の企業で若手社員・熟練者不足、高齢化を懸念、賃上げ実施は47.1%(伊勢崎商工会議所)

 伊勢崎商工会議所(群馬県、小林正弘会頭・あかぎ信用組合)はこのほど、本年3月に実施した特別調査「中小企業における人材戦略について」の結果を公表した。

 本調査では、現在の人材状況に対する懸念や対応策、OJT以外の人材育成策、2024年問題(運送業などの残業時間上限規制)、2024年中の賃上げ予定の有無などをついて質問し、同所会員など367社から回答を得た。

 人材の状況への懸念内容について聞くと「若手の不足」「高齢化の進展」「熟練者の不足」のいずれかを回答した企業の合計が50%を超えた。その人材確保への対応・対策を聞くと4割超が「特に対応策は検討していない」と回答。一方対応している企業の中で最も回答が多かったのは「中途採用の強化」(21.3%)で、次いで「新卒採用の強化」(10.0%)となった。

 OJT以外の人材育成策の実施については「実施していない」企業が6割を超えた。一方実施している企業が行っている取り組みは「勤務時間内の社内研修や勉強会」(15.9%)が最も多く、「資格取得等、自己啓発費用の会社負担」(7.5%)、「業界団体の研修に参加」(5.5%)の順となった。

 2024年問題については、全体の4分の3以上の企業が「影響はない、分からない」と回答。「対応した」企業は6%で、「必要性は感じているが対応していない」(37.3%)企業と「対応を取る必要はない」(56.7%)企業の合計が全体の9割以上となった。

 2024年中の賃上げについては「引き上げる」予定の企業は35.3%で「引き上げしない」企業(64.7%)のおよそ半分程度となった。なお「引き上げる」企業から家族経営を除くと半数近くの47.1%が「引き上げる」と回答していた。その引き上げ幅については「2%未満」が55.7%と半数を超えて最も多く、一方4%以上の賃上げを予定している企業は1割ほどに止まった。引き上げしない企業にその理由を聞くと「家族経営だから」との回答が38.7%あり、それ以外は「今後の業績見通しが不透明」(22.7%)、「賃上げに見合う価格転嫁ができていない」(19.6%)、「これまでに賃金を引き上げ済み」(10.3%)の順となった。

 詳細は、こちら(http://isesaki-cci.or.jp/wordpress/wp-content/uploads/2024/06/keikyo2024_spring.pdf)。