北陸新幹線延伸で市内企業の35%が売り上げ増加(敦賀商工会議所)

敦賀商工会議所

 敦賀商工会議所(福井県、奥井隆会頭・奥井海正堂)はこのほど、今年3月の北陸新幹線延伸開業による商業動向調査の結果を公表した。調査期間は5月1~14日。1539社中、321社(回答率20.9%)から回答を得た。前年同期比で売り上げが増加した企業(全業種)は35.9%(115社)だった。特に、飲食・宿泊業と小売業では60.6%(83社)に上った。

 売り上げが増加した理由については、「市外客(市外取引業者)の増加」が59.5%(94社)と最も多かった。市内外の取引先が増加した理由については、「新幹線開業にあわせたPRなど販促活動の効果」が24.6%(79社)と最も多く、次いで「行政などのイベントのため」が19.9%(64社)だった。

 北陸新幹線延伸開業による自社の経営への影響について、プラスになると答えた企業は、全業種では41.1%(132社)だったが、飲食・宿泊業、小売業では68.6%(94社)となり、新幹線延伸開業の影響が同地域に好影響を与えていることが判明した。

 また、調査では商工会議所などの支援機関や行政に対する意見・要望も寄せられ、「地域全体への観光客誘致を頑張ってもらいたい」、「駅周辺のみにとどまることなく、地域全体の盛り上がりが必要」「敦賀市以外の商工会議所や行政とも連携して、観光客・ビジネス客を呼び込む施策を期待する」と地域を限定しない全体への観光客誘致を期待する声や、「短期的でなく、長期的な視野で取り組んでほしい」「長期的な展望で取り組むことが大事だと思う」といった長期的な取り組みへの要望も寄せられた。

 同所は今後、①駅前サービスステーションを活用した市内産品・観光資源・イベント情報などの発信強化による観光客誘客促進②観光客向けの商品開発や販路開拓に向けたセミナー・個別相談会などによる販路拡大・販路開拓の支援③各種イベントの開催―を行い、延伸開業による地域経済への影響を長期的な好循環にすべく、支援を行う。