「ものづくり産業の人材育成・処遇とデジタル化に関する調査」の結果を公表(JILPT)

 独立行政法人労働政策研究・研修機構(JILPT)はこのほど、「ものづくり産業の人材育成・処遇とデジタル化に関する調査」の結果を公表した。同調査は、ものづくり産業におけるデジタル化の浸透とそれに対応する人材育成・能力開発の現状や、成果を踏まえた処遇の状況などを把握する目的で実施したもの。従業員数30人以上の製造業2万社を対象に、2023年11月30日~12月15日に実施した。有効回答数は3366社(回収率16.8%)。

 調査結果によると、従業員の職業能力開発・向上のための計画的なOJTを実施している企業は全体の70.7%で、OFF-JTを実施している企業は71.1%。OFF-JTを実施している企業のうち、デジタル技術に関するOFF-JTについては、「実施していない」が50.4%で最多だった。実施されている内容では「一般的なデジタル技術に関する知識・技術の習得」(26.5%)、「デジタル技術の自社への導入・活用・応用」(22.0%)などが上位だった。

 従業員の自己啓発に対する支援を行っている企業は59.4%、支援内容は「受講料などの金銭的支援」が86.9%に上る。

 従業員の育成・能力開発を行うことによる経営面への効果については、「効果を感じている」「やや効果を感じている」を合わせて66.0%。効果の内容は、「技術水準や品質の向上」(74.2%)、「生産・加工にかかる作業時間の短縮」(61.6%)、「不良率の低下」(46.6%)などとなっている。

 従業員が身に付けた能力・スキルの処遇への反映は、正社員については「昇給(基本給の引き上げ)」(54.5%)、「賞与への反映」(51.8%)、「技能手当や資格手当など能力に関する手当の支給(デジタル技術に特化したものを除く)」(36.9%)、「役職などの昇進・昇格」(36.6%)など。正社員以外は「特に反映させていない」が 35.7%と最多で、次に「昇給(基本給の引き上げ)」(27.5%)、「正社員への転換」(20.1%)などが続く。

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