業況DIは、一層のコスト増と消費停滞で、悪化。先行きは、消費拡大等による改善への期待高まる(LOBO調査2024年4月結果)

 日本商工会議所が30日に発表した4月の商工会議所LOBO(早期景気観測)調査結果によると、全産業合計の業況DIは、▲14.0(前月比▲1.1ポイント)。製造業は、輸入部材の高騰や企業の設備投資の足踏み等で悪化した。建設業も、資材価格の高騰や人手不足による受注機会の損失でほぼ横ばいにとどまった。また、卸売業は、飲食・宿泊関連からの引き合いが増加するも、物流費の高騰などのコスト増で弱含んでいる。小売業・サービス業は、国内外の観光需要の増加や、歓送迎会などの季節需要の恩恵を受けて改善を示すも、力強さを欠いている。歴史的な円安基調や深刻な人手不足への対応、働き方改革関連法の施行に伴う輸送費の上昇や、賃上げ等によるコスト増が足かせとなっている。コスト増に見合う労務費を含む価格転嫁も追い付かず、業況は再び悪化に転じた。

 先行き見通しDIは、▲12.7(今月比+1.3ポイント)。人手不足対策や価格転嫁の推進等の継続的な経営課題に加え、政府の激変緩和措置終了に伴う電気代等の高騰や、歴史的な円安基調によるコスト増が危惧される。また、中東情勢の緊迫化による影響を不安視する声も聞かれる。一方、大型連休等での国内外の観光需要のさらなる増加や、公共工事の本格稼働、企業の設備投資の拡大など、先行きは改善への期待感が高まっている。

 なお、今月の付帯調査は、「コスト増加分の価格転嫁の動向」について実施。

 詳細は、LOBO調査ホームページ(https://cci-lobo.jcci.or.jp/)を参照。