地域別最低賃金額改定の目安に対する小林会頭コメント

地域別最低賃金額改定の目安に対する小林会頭コメント

2026年7月28日

日本商工会議所

                                                                                                   

 地域別最低賃金額改定の目安が示され、全国加重平均で55円、引上げ率にして4.9%となった。

賃金・物価の上昇を反映した引上げであるが、現下の中小企業・小規模事業者の支払い能力からすると厳しい結果である。他方で、昨年の引上げ率を踏まえれば、企業の実態が一定程度勘案されたものと受け止めている。

高い賃上げの動きを最低賃金近傍で働く労働者へ波及させることの重要性は理解するが、中小企業・小規模事業者は賃上げ余力が乏しく、労働供給制約社会において原資の確保がままならない中で賃上げに取り組んでいる。さらに、足元では中東情勢に起因したコストの上昇に直面していることも懸念される。

大企業のみならず、中小企業・小規模事業者が自発的に賃上げできる環境を整備するためには、日本成長戦略および地域未来戦略を通じた中小企業・小規模事業者の「稼ぐ力」の強化と一層の価格転嫁に官民を挙げて取り組むことが不可欠である。

一方、昨年の地方最低賃金審議会の審議では、他県との過度な競争意識などにより、各地で目安額への大幅な上乗せが相次いだ。地域の実態と乖離した引上げが行われた結果、社会・生活インフラを支える企業の事業継続が困難となり、地域経済に深刻な影響が出ているとの指摘もある。こうした状況は法定三要素に基づく審議の原則を歪めていると言わざるを得ず、強く懸念する。地方最低賃金審議会においては、公労使で三要素に基づく審議を尽くし、発効日も含め、納得感ある決定がなされることを期待する。 

以 上