「中東情勢の緊迫化による中小企業へのエネルギー等の影響調査」の集計結果について

 日本商工会議所ならびに東京商工会議所(ともに小林健会頭)は、標記調査を実施し、別添のとおり結果を取りまとめましたので、お知らせいたします。

 本調査は、昨今の中東情勢の緊迫化に伴う燃料費や石油化学製品の高騰、および供給面における不透明感が、地域中小企業の活動に及ぼす影響やその実態を把握することを目的に実施しました。調査結果のポイントは以下のとおりです。

 

(1)調査地域:全国47都道府県

(2)回答企業数:2,497社

(3)調査期間:2026年5月7日~5月29日

(4)回収商工会議所数:205商工会議所

(5)調査対象:各地商工会議所の会員企業

(6)調査方法:各地商工会議所を通じて依頼(WEB回答)

調査結果のポイント

1.燃料・石油化学製品への影響は「価格上昇」が最多。7~8割の企業に影響あり

  • 中東情勢の緊迫化による「燃料」・「石油化学製品(原材料・部材等、消費財・備品等)(※)」に関する経営への影響は、いずれも「価格上昇」が最多で、企業の約7~8割に影響が出ている。
  • 「『燃料』の供給の停滞・目詰まり」の影響は約3割であるのに対し、「『石油化学製品』の供給の停滞・目詰まり」の影響は、「原材料・部材等」、「消費財・備品等」のいずれにおいても5割以上の企業が影響を受けている。

2.経営への影響を受けている企業は9割超。「コスト負担の増加」が上位に

  • 経営への影響の具体的内容は、 「仕入価格の高騰(74.8%)」を筆頭に、「燃料価格の高騰(62.9%)」や「物流費の高騰(38.7%)」といったコスト負担の増加が上位を占める。
  • コスト増加分の価格転嫁の状況は、「価格転嫁できている・一部できている企業」は約5割(46.6%)、「ほとんど価格転嫁できていない・していない企業」も約5割(48.4%)。

3.業種別では、「製造業」「建設業」「宿泊・飲食業」において「仕入価格の高騰によるコスト負担の増加」の影響が最多

  • 建設業では、上記のコスト負担の増加に加え、「仕入物資の停滞・目詰まりによる操業率・事業活動の低下」、「納期遅延や受注制限に伴う失注・売上の減少」が他の業種と比べて高い。

4.中東情勢緊迫化に対する企業の対応は「価格転嫁」と「在庫確保」が多い

  • 対応内容は、「上昇したコストの販売価格の転嫁」が約4割(39.7%)で最多。「消費財等の在庫確保(38.9%)」、「燃料や原材料等の積み増し(16.0%)」といった在庫確保の動きもみられる。
  • 在庫積み増しに取り組む企業のうち、「燃料」の在庫については、約6割の企業は通常の水準、約1割の企業では通常よりも多い水準で確保している。また、「石油化学製品(原材料・部材・販売用商品)」の在庫については、「通常の水準」、「通常より多い水準」を確保している企業はそれぞれ約2.5割。

5.政府等に対しては、「安定供給の確保」と「コスト・資金面への支援」を要望

  • 政府等に対しては、事業継続の前提となる「エネルギーの安定供給確保」を求める割合が最も高い。次いで、「電力・ガス料金、燃料費の負担軽減」や「資金繰り支援」等のコストおよび資金面での負担軽減を求める企業が多い。

(※)本調査における「石油化学製品」とは、ナフサを原料として製造される化学製品およびその加工品を指す。