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08.11.05 米国大統領選挙結果について(会頭コメント)
 
 米国史上初めて、アフリカ系アメリカ人の大統領が誕生した。昨年2月に立候補を表明して以来、民主党の大統領候補指名争いを含め、長期にわたる熾烈な選挙戦を戦ったオバマ氏が、変革を訴え、卓越した演説能力で米国民の幅広い支持を集めた結果である。
 オバマ候補の勝因は、第1にサブプライム・ローン問題に端を発する金融危機とそれに伴う国内景気の急減速に、現共和党政権が明確かつ有効な対策を講じられなかったのが追い風になったことに加え、第2に国政の経験は浅いものの、選挙戦を通じて指導者として必要な能力、特に直面する危機を乗り越えるための対応能力を国民に示した点にあるのではないかと推察する。
 オバマ氏は、大統領就任後の最重要課題として金融システムの安定と経済再建を挙げているが、まず今月15日に開催される金融サミットに次期大統領として出席し、世界同時不況を阻止するためのしっかりとした枠組みづくりにリーダーシップを発揮されるよう期待する。
 来年1月20日に発足するオバマ政権は、国内経済の再建のみならず国際的な金融・経済システムのあり方、長期化するイラク、アフガニスタンでの戦争や21世紀世界の新しい平和と安定の枠組みの構築、さらにWTOドーハラウンドなど、発足当初から課題が山積している。米国自身にとって必要な変革を推進するとともに、グローバルな協調・連携を図りながら強い指導力で問題解決に取り組んでほしい。
 一方、日米関係はこれまでにないほど強固なものになっている。今後とも、経済問題、テロとの戦いを含めた安全保障、新型インフルエンザや気候変動などのグローバルな課題に対して、両国の協力関係が一層強化されることを望みたい。
以 上
 
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