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経営に役立つサイバーセキュリティ対策~商工会議所会員事例/経営者インタビュー~(SC3:サプライチェーン・サイバーセキュリティ・コンソーシアム)

 産業界が一体となって中小企業を含むサプライチェーン全体でのサイバーセキュリティ対策の推進運動を進めていくことを目的に設立されたサプライチェーン・サイバーセキュリティ・コンソーシアム(SC3)が提供する「経営に役立つサイバーセキュリティ」の実践事例として、①サイバー攻撃を実際に受けてしまった福岡商工会議所の会員企業(創ネット株式会社/資本金2,000万円/従業員28名)と、②通年で社員にセキュリティ対策を実施している岡崎商工会議所の会員企業(太田油脂株式会社/資本金4,500万円/従業員297名)における、それぞれの取組内容をインタビュー形式でご紹介します。

 

<創ネット株式会社 代表取締役社長 小口幸士氏>

 https://www.ipa.go.jp/security/sc3/activities/kougekiWG/content/interview/int-vol05.html

(記事抜粋)

〇セキュリティ対策の費用負担について

サイバーセキュリティ対策にかかる金額面については、年間で見るとそこそこの金額になるかもしれません。しかし月割にすれば、大した金額ではないと思っています。私は、こんなふうに考えているのです。中小企業は、余計な保険にいくつも入っているケースがあると思うので、それを見直しすることにより、サイバーセキュリティ対策やサイバー保険にあてればいいのだと。加えて、新型コロナ禍で接待交際費もぐんと落ちています。これなら十分にまかなえる金額だと判断し、導入を決めました。

〇セキュリティ対策は地域のつながりの中で広げるのがいい

「サイバーセキュリティはお金がかかるから無理」だというイメージもあるかもしれませんし、「サイバーセキュリティ」に関連する情報が多すぎて、具体的に何から手をつけていいのかもわからないかもしれません。そんなとき、例えば地域の繋がりのなかで「あの会社はこんな対策をしている」と知ることができたら、いいのではないか。

〇「ベンダは医師、経営者は患者」

セキュリティの中身については全然詳しくありません。みなさん新型コロナウイルスの感染対策をしっかりしていても、医師のように新型コロナウイルスに詳しいとは言えません。それと同じだと思います。セキュリティ業界でいえば、セキュリティベンダーは医師の役割なのでしょう。われわれ経営者は患者として、こんな対策をするべきだとわかっていれば、それで十分だと思います。

 

<太田油脂株式会社 代表取締役社長 太田健介氏>

 https://www.ipa.go.jp/security/sc3/activities/kougekiWG/content/interview/int-vol04.html

(記事抜粋)

〇セキュリティ対策を行う理由

中小中堅の製造業がセキュリティにお金をかける意味はどこにあるのかというと、私は、事業を継続し、そこで生まれた収益を投資に回し、さらに売上を伸ばしていくという、会社の基盤にあたる部分を守るためだと考えています。それには、情報セキュリティも高めて、サイバー攻撃を防がないといけませんが、それは、大切な製品を作る工場の周りに塀を立てたり警備員を置いたりするのと同じことではないでしょうか。とは言いながら、セキュリティ対策用に新たな予算を追加するのが厳しいのも現実です。従来のIT周りの費用を見直し、そこで浮いた予算や人的リソースをセキュリティ対策に回すという方針をとっています。

〇社内人材育成、専門人材の活用

人材の確保も、地方の中小企業が苦労しているところです。当社は、今いる従業員のITリテラシーを高めることと、ITリテラシーに長けた人材を外部から獲得すること、この両軸で考えています。前者についてはすでにご説明した通りですが、後者もまた難しいですね。どうしたら当社のような地方の中小企業に優れた人材が来てくれるのかと考え、働き方の規定を変えました。例えば、東京で生活しながら働けるようにしたり、副業として当社をサポートいただけるようにしたりして、都市部に住んでいるリテラシーの高い方や技術のある方が採用できるようになりました。住んでいる地域を問わず、どこでも仕事ができる時代になったことは、地方の中小企業にとってもチャンスだと思っています。

〇地域の中小企業との連携

地域の中小企業と成功事例・失敗事例をシェアし、地域経済の活性化に繋げられないかと考え、DX推進室を分社化する形でグローカルビジネスソリューションズという会社を立ち上げました。グローカルビジネスソリューションズ株式会社は、いわばIT化の支援を行うプラットフォームのような会社です。かつての当社もそうでしたが、中小中堅企業のなかにはIT人材が1人も在籍していないところも多いのです。自分たちだけで守るのではなくて、外部機関とも連携して、我が社が弱いところは外部のサービスを活用していくことで考えています。

 

■SC3ホームページ(経営に役立つサイバーセキュリティコンテンツ)

 https://www.ipa.go.jp/security/sc3/activities/kougekiWG/content/

 

○IT関連情報

 http://www.jcci.or.jp/it/

○サプライチェーン・サイバーセキュリティ・コンソーシアム(SC3)

 https://www.ipa.go.jp/security/sc3/