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【最新海外事情レポート】自信を持って行動する中国人(上海)

<再登板の上海駐在>

  20153月まで上海日本商工クラブの事務局長として、43か月勤務していた。その後、日商・東商広報部長として3年間の日本勤務を経て、20184月に再び商工クラブの事務局長として上海に戻ってきた。再登板から3か月の第一印象は、中国の3年間の発展と変化は日本の10年分に相当するのではないかということである。

 

<スマホがID

  既に日本でも報道されているように、WeChat(微信)やAlipay(支付宝)によるスマートフォンでの支払いは完全に日常のことである。もちろんコンビニなどで現金も使えるが、ATMで現金を引き出そうとしても、ATM内の現金が不足して引き出せないこともあった。ようやくスマホ決済に慣れて、日々の昼食や買い物などに便利さを享受する一方で、気になる点もある。どこのお店でいつ何を買ったかということを含めて、Big Dataの一部としてデータが利用されるとともに、個人の嗜好や行動を記録するデータとして蓄積されていることも間違いない。スマホが身分証明書(外国人はパスポート)とリンクしており、現実にはIDとして機能している。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

We Chat(左)、Alipay(右)の決済アプリの画面

 

 

 <お行儀のよい中国人>

  日本にいる間にも、近年の訪日中国人観光客は非常にお行儀がよくなったと感じていたが、上海でもほとんどの歩行者が横断歩道の信号を守るようになり、以前は歩行者の間を縫って走っていた車も、横断歩道を渡っている歩行者がいれば、止まってくれるようになっている。これは多くの中国人が日本などへの海外旅行を経験し、世界共通のマナーを学んでいるものとも理解できるものの、その下地にはスマートフォンにより自分の位置情報が発信されており、また、市内の様々な場所にある監視カメラにより、駐車違反をはじめ、歩行者といえども信号無視をした姿が捉えられていることなどから、人々が規則を守ることに慣れてきていることも一因ではないだろうか。

 

<青空の日が多い>


 

  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 青空が広がる晴れた日の上海の風景

 

 その他にも、数年前には北京をはじめ上海でもPM2.5で空気が悪いということが日本でも多く報道されていた。確かに天気はいいのに青空が見えない日や、100メートル先が見えずに、高層ビルの先端も隠れているような日があったが、4月に着任してからそのような日に当たったことはない。これまでも環境に対する規制はあったが、経済成長が優先されていたのが、近年は環境規制が急速に厳しくなっているとともに、厳格に運用する姿勢に変化している。日系企業のみならず、中国企業も事業活動に影響するくらい厳しいものになっている。その取り組みは世界の環境に影響するものであり、それが緩むことはないのであろう。

 

<自信を持った中国人>

  このように大きな変化をする中で、数年前と現在の最も大きな違いは、中国の人たちが外国人を見る目が変わったことである。数年前には、日本人に対するものを含めて、中国の人たちは外国人を見る時に若干下から見上げるような目線を感じることが多かったものである。それが3年振りに上海に来て、直ぐに感じたことだが、現在では外国人を見る目は若干上から目線、あるいは、対等な目線となったことである。これまでも中国の人たちは、華僑として世界中に散らばっているが、新たな世代の中国の人たちは、これまでと違ったスピード感と自信を持って世界に出ようとしているように思う。

 

 (上海日本商工クラブ 事務局長 中村 仁)