(日本商工会議所の機関紙「会議所ニュース」99年4月21日号より)
 
山口商工会議所:「独自ブランド創造へ」

 
 山口市は、中世における西国一の守護大名・大内氏の城下町として栄え、「西の京山口」と謳(うた)われ、多くの神社仏閣、史跡、文化遺産が中心市街地に点在している。また、西日本随一の宿泊施設を有する湯田温泉を擁し、年間160万人を超える観光客が訪れる、文化の薫り漂う観光と商業を基幹産業とする消費都市である。
 山口の「街のかたち」については、当所が平成4年度に、 "つながりとひろがりを求めた街づくり"を基本コンセプトに、今後の街づくりの指針となるグランドデザインを提案。これに基づき中心商業地の街づくりを推進し、商店街の活性化に努めてきた。街づくりを進める際のキーワードとして、前述の「大内文化」と大内氏に縁のある「スペインの宣教師フランシスコ・サビエル」を取り上げ、観光複合交流人口都市を標榜することとした。
 まず、平成7年度は、各商店街共通の基本コンセプトを確立。市内外の消費者に強くアピールする個性豊かで独創性のある統一的イメージ=CIづくりに取り組んだ。具体的な事業として、山口市街マップ「おいしい街、山口」や駐車場マップを作成したほか、四季折々のペナント掲示や装飾、フラワーポット、イスやベンチの設置など、商店街のイメージアップをはかるとともに、商店主の意識改革も行った。
 次いで、平成9年度には、商店街空き店舗対策事業の中で、ミニ・サテライトスタジオ「スタジオ・サンデー」を開設。商店街共同放送施設を利用し、地元山口大学ミニFMサークルと共同で、商店街、個店の販促、イベント情報を提供した。学生と商店街の連携・交流は現在も続いている。また、インターネット情報館も地元商店街で継続しており、毎日多くの若者や在日外国人が利用している。
 平成10年度には、平成3年に焼失した「サビエル記念聖堂」が4月29日に再建されたことを機に、「山口スペインカーニバル〜サビエルに出会う七日間」と銘打って、大々的なイベントをゴールデンウイーク期間中に開催。延べ26万人の人手でにぎわった。また、商店街等活性化先進事業の指定も受け、"スペインの薫りのする街づくり"をテーマに、スペイングッズ、食材を販売する店舗「スパニッシュロード」、ファッションショー「サビエルへの道」、市民参加によるツリーの展示「日本のクリスマスは山口から〜サビエルが伝えたクリスマス」などのイベントを展開した。
 一方で、山口県立美術館で開催される企画展(例えば大英博物館)に併せて、商店街や駅通りに国旗を掲揚したり、商店街マップを配布するなど、街を挙げてのムードづくりに努めている。
 平成11年度は、山口オリジナル・ブランドの創造を目指し、商店街の空き店舗を活用して、産・学・官一体となった山口文化発信ショップ事業に取り組むこととしており、この成果が大いに期待されるところである。

中小企業相談所長 飯田 裕史


 



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