(日本商工会議所の機関紙「会議所ニュース」99年3月1日号より)
 
佐賀商工会議所:「(株)まちづくり佐賀」

 
 佐賀市は、県都として多様な都市機能が集中し、環状線などの道路整備に伴い郊外店の進出が進んでいる。一方、戦災を受けていない中心部では、車社会に対応できない道路形態で、来街者・居住人口の減少が進み、にぎわいの低下が顕著になっている。
 このようなことから、県都の顔として都市的魅力のアップを図り、強力に求心力を高めることを目的として、行政はもちろん商工会議所、地元商業者、商店街組織などが参画し、第3セクターの「(株)まちづくり佐賀」が平成8年3月に設立された。
 まちづくり佐賀は、にぎわい・潤い・喜びあふれる街の創造を目指している。そのために、中心街の調整役を兼ねた「タウンマネージメント」を行い、地元商業者をはじめ、周辺住民や若手消費者の応募による「にこにこ団」、行政などが一体となって各種街づくり事業をコーディネートしている。
 市が策定した中心市街地活性化基本計画に基づき、まちづくり佐賀は昨年11月にTMO(街づくり機関)に認定された。現在、常勤役職員は10人で、社長は佐賀商工会議所の田中稔会頭が昨年9月に就任している。
 実施する事業は、主に以下の7つである。
 @ 空き店舗等対策(ショップ・バンク)。空き店舗情報を収集し、それらを出店希望者に広く知らせ、入居を促進する。また、出店者誘致として、中心市街地の空き店舗やまちづくり佐賀が所有・管理する店舗に出店者を誘致する活動を行う。
 A商店支援(リテール・サポート)。教育研修として、行政や商工会議所などが行う研修事業の情報を収集し、それを商業者に提供して、参加を呼びかける。まちづくり佐賀自体も、経営者・後継者・従業員を対象とした教育研修を実施。さらに、収集した経営情報を基に情報コーナーの設置やミニコミ紙を作成する。
 B商店街総合カードの発行。消費者ニーズへの機敏な対応や利便性の向上を図り、さらに中心商店街の商店と大型店とが連携できるカード事業の実施や駐車料金の精算システムなどのネットワーク化を進める。
 C駐車場整備。中心商店街内に大規模な店舗併設型自走式立体駐車場を設置する。このほかにも、中心市街地の顧客用駐車場のネットワーク化を進める。
 Dモール事業。中心市街地の回遊性確保のため、単に舗道の設置だけでなく、植栽やストリートファニチャーを設置するモール整備を行い、快適で、楽しい安らぎのある空間にする。
 E中心市街地総合サイン設置。佐賀市中心市街地は城下町特有のクランク状の入り組んだ道路が多く、分かりづらい街となっている。そこで、分かりやすく安心して来てもらえる街にするため、市街地全体に統一されたサインを設置する。
 F商店街支援(プロジェクト支援)。まちづくり佐賀では、行政、地権者、商店街、商業者間のコーディネーターとして、商店街活性化の各段階に応じて関係機関と連携した支援・指導を行い計画の実現をはかる。

 地方における中心商店街は、単なる買い物施設としてだけでなく、地域経済や文化と地域コミュニティの担い手として中核的な役割を果たし、その衰退は地域社会にとって重大な問題を提起する。
 このような現状認識の下で、豊かな地域社会の構築が迫られており、地域の再生をかけ、今こそ官民一体となってこの街づくりに取り組まねばならない。そのためにもタウンマネージメント機能は不可欠なものであり、従来の「個々の地区」、「個々の商店街」から一歩踏み出した対応が迫られている。市街地の空洞化を脱し、にぎわいを取り戻す起爆剤とするため、どのように魅力を創造していくのか、商工会議所としてもこれからが知恵の出しどころである。

事務局次長 永野英生


 



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