(日本商工会議所の機関紙「会議所ニュース」98年8月21日号より)
 
彦根商工会議所:「住民主導による町並みづくり」


 白壁、いぶし瓦に格子窓、さながら江戸時代の風情の町家が軒を連ねる。
 幕末の大老 井伊直弼で知られる彦根藩三十五万石の国宝 彦根城下にこのほど完成した「夢京橋キャッスルロード」である。
 歴史は古く、1603年にこの本町地区から城下の町割りが始められた。しかし近年になり、道幅6メートルでは今日の道路事情に対応できなくなり、市の道路拡幅事業に取り組むこととなった。
 「古い良さを生かし、新しい活気のみなぎる町に」<OLD&NEW>をコンセプトに、住民主導により「本町地区まちなみづくり委員会」を組織。昼夜を問わない議論を経て、建設省のまちなみ整備事業により、幅18メートル、全長350メートルの区間を江戸町家風に再現した。
 また、この町並みを保全するため、新たな建物を建築する場合、住民・市・学識経験者等で構成する「本町まちなみづくり建築審査会」で彦根市条例の修景基準に合致しているかどうかの判断が必要である。
 この通りの両側には、第三セクター運営の歴史と観光の情報発信施設「城下町夢あかり館」、昔懐かしい駄菓子やおもちゃを発見できる店、油屋をイメージしたガソリンスタンド、日本一大きな琵琶湖の湖魚を使った佃煮店、夜は若者で超満員になる飲食店、お食事処、ブティック、酒屋などが軒を並べ,店舗数は四十数店におよぶ。  「城下町夢あかり館」では、オリジナルろうそくが作成できる体験工房が観光客でにぎわう。また、ポケットパークには、モニュメント、ベンチ、ミニ噴水があり、武家屋敷風の公衆トイレ「厠」なども配置し、散策の休憩にもってこいである。
 建設省関連事業であるため、道路幅が広すぎる点が問題かと思われたが、今年8月2日には車両通行止めをして、ゆかた姿の男女1500人と観客8000人が集まる、盛大なイベント「彦根ゆかたまつり」を開催。好評を得た。今後も町並みを生かしたソフト面の充実が望まれるところである。
 彦根商工会議所では、この夢京橋キャッスルロードに隣接する市場商店街・中央商店街・銀座商店街などの中心市街地への回遊性を高め、昔のにぎわいを取り戻すために努力している。そのために、二年にわたり検討してきた「彦根中心市街地再生事業委員会報告書」(平成9年3月)を基に、今年度タウン・マネジメント計画策定事業を行うことにしている。
 中心市街地活性化法に基づく事業も予定しており、今後ますます全国から注目され、活気のみなぎる商店街を形成していきたい。

彦根商工会議所 経営指導員 安達 昇


 



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