(日本商工会議所月刊誌「石垣」99年12月号より)

 

西町商店街(京都府綾部市)

出会いとふれあいの街“西町アイタウン”

 

 
  京都府綾部市広小路1丁目
  南西町商店街協同組合
  理事長 藤村宏


  京都府綾部市西町2丁目
  北西町商店街協同組合
  理事長 竹下裕行

  ◎ポイント

  • 沿道区画整理事業と併行した商店街近代化
  • 勉強会開催やポイントカードのソフト事業
  • 空き地対策が今後の課題

 


 西町商店街は、南西町商店街と北西町商店街を合わせて西町と呼ばれ、古くから綾部市の中心商店街として繁栄した。今回の商店街近代化は両商店街を一本化した形で進められ、"西町アイタウン"として生まれ変わった。南西町商店街協同組合・藤村理事長ならびに北西町商店街協同組合・竹下理事長にお話を伺った。
 

▼沿道区画整理事業に合わせ商店街近代化を推進

 西町商店街は中丹地域を商圏とし、商圏人口は56,000人、長さ約300mの南北に長い商店街である。 市の沿道区画整理事業と併行した商店街近代化事業を実施、平成10年4月にリニューアルオープンした。昭和60年の大型店出店による商店数の減少、個店売上げの大幅減少を機に、商工会議所が提案した「街路事業による道路拡幅と併用した商店街近代化」への対応が急務とされた。その後、行政主導による沿道区画整理事業という前面の道路整備だけでなく、裏面の区画道路や公園、コミュニティー機能なども兼ね備えた、一体的・面的な整備を図り、単に商店街を買い物する場から憩いと語らいのある場にしようと、平成6年から個店全店の新築など商店街改造が行われた。「『総論賛成、各論反対』の中、商業者でない住民の協力が得られたからこそ実現できた」と竹下理事長は振り返る。
 道路の拡幅や、両側の歩道にアーケードを設置するなど、約10億円をかけて明るい装いにイメージチェンジした。歩道にはカラー舗装とともに片持ち・片流れのアーケードを新設し、車道側ではなく店舗側に柱を設け、安全で斬新な近代的景観を保持するとともに、店舗前の空間づくりに配慮した。郊外型大型店に対抗するため車で乗りつけられる商店街をコンセプトに道幅6mを12mに拡幅。幅1m、長さ20mの停車帯を6つ設け、ワンストップショッピングができるのが特徴だ。長い商店街のため1〜4番街とブロック別に称し、買物客への案内PRをしやすくしている。片流れアーケードにした理由は、「改造前の全蓋型アーケードのときは昼間でも暗かったため採光に配慮したのが一番ですが、商店街の入口にある藤山の緑が見えるよう景観にも気を使いました」と竹下理事長。
 

▼各種勉強会によりコミュニケーションを強化

 商店街のソフト委員会では、組合員や従業員を対象に、商品のラッピングや接客の講習会を2カ月に1回開催している。また、商店街の近代化をきっかけに、商店街に住む人々のコミュニケーションを強化することが活力ある街づくりには不可欠との観点から、平成8年に商店主の奥様方の集いである「おかみさん会」を、平成9年には若手商店主らが集まり、自由に意見交換する「南北会」を組織し、それぞれ月1回例会を開いている。南北会は南と北に分かれた組合員らが「垣根を越えて、将来の街づくりを考えよう」と結成され、参加資格は満50歳以下なら商店主以外でも参加できる。
 

▼大型店対策でポイントカード「Aカード」を導入

 西町商店街では市内の他の商店街にも呼びかけてAカードというポイントカード事業を平成10年3月より行っている。加盟店は現在73店舗で、うち同商店街が46店舗を占める。100円の買上げごとに1ポイントを印字、500ポイントで満点になったカードは、現金の代わりに500円の買い物に使われるほか、地元の金融機関への預金、映画やコンサートなどのチケット、日帰りバス旅行、定期的に開催されるイベントへの参加が可能となる。
 組合として「消費者にできるだけカードを使ってもらおうと、イベントも売出しを兼ねたものが多いです」と藤村理事長。「丹の国まつり」など、商店街の集客に効果のある地域イベントを商店街イベントとして活用している。他に、掛売りや特価品・バーゲン品の買い物にもポイントを付けたり、加盟店独自でポイント倍渡しセールを行っている。「当市では、大型ショッピングセンターの『あいカード』、多店舗スーパーマーケットの『グリーンカード』に次ぐカードとして発足、カード面から見ると3極の図式となり、大型店への対等の対抗手段を持つことができました。さらに、商店街活動とAカード事業を合わせることにより、効果的かつ強力な販促活動もでき、お客様により多くのサービスが展開できることとなりました」と藤村理事長は話す。
 

▼空き地対策が今後の課題

 南西町・北西町両商店街とも、「課題は空き店舗ならぬ空き地が多いことで、空き地をなくしていかなければならない」と両理事長は口を揃える。近代化事業の際、地権者に処分してもらえなかった土地で、そのいくつかは現在駐車場に利用されている所もあるが、景観面で寂れた印象を与えているのも事実だ。組合としても地権者から借地し出店者に転貸するなどの対策を講じていくほか、現在地権者を対象にしたアンケートで借地の可能性を聞いており、借地で立地できる場所が今後増える可能性もあるという。「借地できた場所には、当商店街に不足している業種(各種飲食店・食肉店・スポーツ用品・子供服など)を導入していきたい」と竹下理事長は抱負を語る。
 繭で栄え平和の心を持つ綾部の中心として発展する西町アイタウン。「南北に長い」「どこからでも出入りできる」商店街の特性を生かし、消費者を楽しく商店街を循環させることにより、さまざまな出会いが生まれる楽しい商店街、「心がふれあう 快適回廊」となる努力はまだまだ続く。
 


 
一覧へ戻る 一覧へ戻る