ファッションタウン桐生推進協議会(会長・岸田英作桐生商工会議所会頭)の生活文化委員会(井置晃子委員長)はこのほど、郷土料理の創造につなげようと、164年前の桐生領主もてなし料理を復元し、「郷土・桐生の食文化を尋ねる夕べ」と題した試食会を開催した。
天保9年(1838)、領主の酒井石見守が初めて新町を巡見した際、地元有力者たちは数々の郷土産品などを献上、山の幸、川の幸をふんだんに用いた最上の料理でもてなした。
料理の献立は、長沢家文書「諸用控」に記されていたが、料理方法は記されていなかったので、同委員会の食文化創造プロジェクトチーム(藤掛和男リーダー)が郷土史研究家や、地元割烹料理長の協力を得て、苦労のうえ復元した。
試食会会場には、山形県松山町資料館の協力を得て貸し出しされた同町重要文化財酒井家三ノ膳や鯉、松茸、鮎、銘酒二樽などの献上物が再現され、雰囲気を盛り上げた。
参加した協議会メンバーらは、鯉こくや鮎にしき焼、鮎土作煮など次々に出される164年前の料理を味わい、桐生新町当時の最上の味覚に舌鼓を打った。

<復元された164年前の桐生領主もてなし料理>

<試食会「郷土・桐生の食文化を尋ねる夕べ」の模様>