天童商工会議所(山形県)は、同市麺類食堂組合と共催してこのほど、江戸時代に藩が将軍家に献上したとされる「寒中挽抜(ひきぬき)そば」を地元の織田信長が祭られている建勲神社に奉納し、観光関係者を招いて賞味会を開いた。
「寒中挽抜そば」は、秋に収穫した新そばを石うすで殻ごとひき、ふるいにかけてから打ったそば。天童藩では、嘉永年間に藩主織田信学が季節の贈り物として将軍家に献上したという。同組合で資料を集め試作品を完成させ、賞味会では、つなぎの割合によって異なる3種類の寒中そばが振る舞われた。
賞味会参加者からは「そばに甘味があっておいしい」「それぞれ味が違い、のどごしがいい」などの感想が聞かれ、献上そばの味を堪能した。この献上そばは、約1カ月間市内の20店舗で限定販売されたが、同所では献上そばを今後、冬の観光の目玉としてPRする方針。