(日本商工会議所月刊誌「石垣」2000年1月号より)

 

大宮西口商店会(OSS24)(埼玉県大宮市)

売場面積5%の結束
−大手百貨店をパートナーに専門店としての個性を磨く−

 

 
  埼玉県大宮市桜木町1−6−24
  大宮西口商店会協同組合
  理事長 高畑 隆夫

  ◎ポイント

  • 組合員の結束
  • 専門店としての質の高いサービス
  • 都市型百貨店との共存

 


 戦後、比較的早く発展した大宮駅東口に比べ、雑然としていた西口。商店会は昭和42年に組合を結成し、市の再開発事業に参加。シンボルである駅前商業ビル建設事業に参画し、そごうを誘致。昭和62年に「OSS(オズ)24」の名で都市型百貨店とのドッキングという全国でも珍しいケースを実現し、成功を収めている大宮西口商店会協同組合の高畑理事長にお話を伺った。

▼意欲のあるオーナーが集まった

 昭和38年には大宮駅西口区画整理事業が決定していたが、当時の西口は住宅が密集し、道路や駅前広場は狭く、都市機能の低下が著しい地区であり、東口とは雲泥の差だった。
 西口で営業していた中小店が結束して再開発に臨むこととし、昭和42年に組合を結成して、勉強を重ねた。「結成当初は50人以上いたメンバーもオープンまで20年の歳月の中で最終的には22名に絞られました。地元出身の方は少なくて、1坪運動で土地を所有するなど、まさにゼロからのスタートでした。高度化実施計画書だけで7回提出しています。中小企業庁や県の商工部、大宮商工会議所をはじめ関係各方面の意見を聞きながら、役員会は週に1回開催して議論を重ね、勉強会も頻繁に行いました。とことん話し合う雰囲気が生まれ、メンバーの結束が強くなった気がします。これまで、多数決で何かを決めたことはありません」と高畑理事長。
 

▼そごうを誘致した「大宮スカイビル」が昭和62年にオープン

 大型プロジェクトだけに計画推進には時間がかかった。小売商業店舗共同化事業を解決策の一つとして選択して、県下初の高度化共同店舗建設に取り組んだ。「大型店との共同店舗については内部でもかなり議論をしました。核となる店舗に依存するのではなく、主体性を持った商業集団でありたいというこだわりが組合員全員の一致した考えです。われわれ商店会の売場面積は全体の5%で1726u。当時の高度化事業では例外のテストケースとして認められたことも大きかった」と当時を振り返る高畑理事長。規模は、物販12店、飲食サービス12店。組合で集合換地した土地の上が売場となっており、1F、2F、3Fに分散して配置されている。休日や閉店時間もそごうと差をつけ、空調などのビル施設も商店会独自でも営業できるように区分されている。
 

▼世代交代とそごうとの温度差

 大宮駅西口一帯が大きく変貌する中で、昭和57年には約5倍の差があった東口と西口の歩行者数が8年間で逆転した。東口の人出はほぼ横ばいであり、西口を訪れる人が飛躍的に増えた計算だ。こうした外的要因の追い風もあり、順調に業績を伸ばしている「OSS24」であるが、いくつかの問題も抱えているという。「オープン前からある程度の覚悟はありましたが、ビル全体でなかなか一体感が出てこない。組合としてはそごうさんと良きパートナーとして共存共栄を図りたいと思っているのですが、売り場面積や権利関係などもあって、なかなかうまくいかない」と苦笑する高畑理事長。「初代オーナーの皆さんの努力もあって、プロの専門店としてそごうさんにヒケを取らない、むしろ同等以上のサービスを行っていると自負していますが、当組合にも世代交代の時期に差し掛かっており、2代目の若手が中心となる将来の展開に若干の危惧を持っています」
 全国でも有数の商業の激戦地となっている大宮で、外部との競争に生き残っていくためには、内部の結束が重要なウエイトを占める。
 

▼大宮全体としての街づくりが重要

 東北・上越新幹線の開通、西口の再開発事業などが契機となり、大きく発展した大宮駅周辺、かつての商店街は大きくその姿を変えている。OSS24の周囲にはアルシェ、ルミネ、DOM、JACK、ソニックシティなど多くの新しいビルが立ち並び、近郊にも大型店が相次いで進出している。「池袋」「新宿」「渋谷」といった東京を代表する街との競争もある。また、さいたま新都市構想の進展がどのような影響を及ぼすのか注目される。「大宮駅の西口は、再開発によって新しく生まれ変わった街であり、奥行きにかける面があります。買い物だけでなくさまざまな目的を持った方々が訪れて楽しめる街に、そして、来街者がそれぞれの拠点を楽しく回遊できるような街全体としての取り組みが必要になってくるでしょう」と高畑理事長は今後の街づくりについて語る。
 「当時を考えれば夢のよう」なショッピング・ゾーンの一翼を担うこととなった大宮西口商店会協同組合。その決断と実行力、そして結束力は、今後の大宮の街づくりにおけるキーワードとなることは間違いない。
 



 
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