(日本商工会議所の機関紙「会議所ニュース」2000年1月11日号より)

 

福山商工会議所

マンション1階が情報発信基地


 

 福山市は、広島県の東南端に位置し、人口約38万人の備後の中核都市である。
 当市もご多分にもれず、平成5〜6年ごろから大型店の郊外立地などにより、中心部商店街の空き店舗が目立ち始めた。
 当所では、この対策として、平成7年度に空き店舗の入居者に対し、家賃の半額を1年間補助する制度を開始した。また、平成8年度には国の空き店舗対策事業の指定を受け、商店街に不足している情報を発信する基地「YOU 遊 STUDIO」を開設した。FM放送のスタジオを設け、お店の店長自ら番組に出演し、自分の店の紹介をするコーナーもある「ほっとランチボックス」を放送したほか、近隣のイベント情報が一目で分かるシステムの導入、また商店街のコミュニティーセンターとして各種のイベントを開催し、好評を得ていた。
 このころ、福山を代表し、「元旦朝市」などで有名な福山本通商店街の中央部の空地に分譲マンションの建設話が持ち上がった。地元商店街としては、商店街に住民が増加することは歓迎したが、1階から全階がマンションでは商店街としての街並みが損なうと危惧し、マンション業者に1階部分について店の連担を損なわない開発を依頼した。しかし、この時期、本通商店街にも空き店舗が出始める状況であり、マンション業者としては、分譲の目途がたたないとして、難色を示した。この時に持ち上がったのが、同所が開設している「YOU 遊 STUDIO」をこのマンションの1階に移設し、商店街のコミュニティーセンターとして活用する方法であった。
 しかし、このセンターを開設するには、約1年半のタイムラグがあり、この間克服すべき障害が多々あった。特に、「YOU 遊 STUDIO」は空き店舗対策事業であり、国の支援なく1年間の延長が必要であったことと、福山本通商店街がマンション1階部分を買取る必要があり、約1億円の経費の捻出が問題であった。
 「YOU 遊 STUDIO」の開設延長については、福山市と当所が経費を分担して、1年間延長することに決定した。残りは買取り経費の捻出方法であるが、国の商業基盤等整備施設補助金が利用できないかとの意見があり、広島県に問い合わせたところ、補助金要綱上では可能との返事であった。この回答に意を強くした福山本通商店街は、このマンション1階を買取り、コミュニティーセンター開設に組合員が一丸となって各方面に働きかけ、平成10年6月小売商業振興法の認定を受け、商業基盤等整備補助金・高度化資金を利用して、同年11月に「とおり町交流館」としてオープンした。
 現在は、市が隣接している公園を「とおり町交流館」と一体化した公園に整備すべく計画を進めており、公園と一体化された「とおり町交流館」が一商店街の情報発信基地にとどまらず、福山市全体の商店街の情報発信基地として、広く市民に認知され、さまざまな情報が受発信できるセンターに発展することを期待している。

(事務局次長 開原彰三))

 



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