(日本商工会議所の機関紙「会議所ニュース」98年5月21日号より)
 
福井商工会議所:「福井駅前エリア統一ネーミング事業の推進」

 
 この事業は、福井市の中心市街地である中央1丁目地区に、統一的なエリアネーミングをつけて、広く市民一般に親しく呼称してもらうことにより、中心市街地の商業地区としてのイメージアップをねらったものである。
 同地区には、現在7つの商店街が存在している。しかし近年大型店の郊外出店の急激な増加により、商業地区としての地盤沈下が懸念されはじめ、駅前商業者の間でも危機感が高まりつつあった。
 一方、JR福井駅の高架化と連続立体交差事業および、それに伴う駅周辺区画整理事業が本格化し、地元商業者においても、それに合せて街づくりに関するコンセンサスを形成させる組織づくりが具体化し、中心市街地整備推進協議会が設立されていた。
 エリア統一ネーミング事業は、この協議会の中の、若手商店経営者と行政や商工会議所職員などで構成される部会より提案された。そして駅前地区全体の活動として、このほど7商店街組織と駅前地区のポイントカードを運営している組織を巻き込み、実行委員会形式で運営することとなった。
 福井商工会議所が窓口となり、福井県の中小商業活性化事業助成金を導入し、事業の具体的運営にあたった。ネーミングについては、一般から公募、TV・新聞紙上で告知を行うと共に、商店街の街区の隅々にポスターと応募用紙・ポストを設置、市民にPRした。
その結果、874件の応募があった。
 選考にあたっては、まず担当部会で候補を50件程度にしぼり、実行委員会へ上程。最終的に「アルコ・フクイ」を統一ネーミングとして決定した。
 決定したネーミングは、タペストリーとして、駅前地区の全商店街の街区に表示すると共に、ポスターを店舗に掲示。市民に中央1丁目地区の商業者が一体となって実施した事業であることをアピールした。また、応募した中から24人を当選者として新聞紙上で発表し、推進協議会総会時に表彰した。
 この事業は商店街という枠組みを越えて、中心市街地の街づくりを討議するという、意義のある事業となった。この事業を推進した部会は、前述の通り若手経営者、後継者、行政・商工会議所の職員で構成した。ほぼ毎週、夜集まって、中心市街地の街づくりのあり方や商店街の将来について真剣に語り合う機会をつくることができたのは、大きな成果であり、関わった人たちの大きな自信となった。
 一方、多くの組織を巻き込んだために意思決定が進まず、部会の思いがなかなか実現しなかったこと、各商店街間のこの事業に対する考え方にずれがあり、その調整に苦労したことなど、商店街を横断しての事業の難しさを痛感した。
 しかし、商店街の枠組みを越えてまがりなりにもひとつの事業をやり遂げたこと、その事業を通じて、街づくりの将来について真剣に話し合えたことは大きな成果であり、今後もこのような機会が頻繁に持たれることが必要であろう。
 



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