(日本商工会議所の機関紙「会議所ニュース」99年7月21日号より)

 

糸魚川商工会議所

「商業の再発見」に挑む

 


 

「商店街のイベントはやればやったなりに人は集まる。しかし店には人は入らない」「金を出し、汗をかいても販売促進に結びつかない。商店街の戦略が下手なのか、客はイベントのみが魅力なのか」

 平成10年度新潟県が創設した「ときめき商店街支援アドバイザー事業」(全額県費1地域当たり100万円)に手を挙げて、その講師からの第一声に、商店街の役員はズシリとしたものを感じたようだ。商店街衰退の要因の一つに、商業が時代の変化を先取りし、また都市文化の担い手として社会全体をリードしていた機能を果たせなくなった時点から、衰退が始まった。本事業は「街のにぎわい創出」のために多くの日を当て、いつでも、どこでもイベントや情報発信が行われている商店街を目指すものだ。
 平成10年度はアドバイザーを入れた戦略研究。平成11年度は総額1000万円(県600万円、市150万円、商工会議所150万円、商店街100万円)を投入して本番事業に入った。
 平成10年度に行ったイベントと併せて行った「一店一品セール」は、小売店の破格値商品を売り切れなしの条件で廉売した。街には人があふれかえり、小売店には長い行列ができるなど、「小売店再発見」が繰り広げられた。
 平成11年5月、本事業がスタート。テーマは「商店街と地域住民(消費者)の一体感の創出」。オープニングは芸能祭。幼稚園児の発表会、舞踊グループ、カラオケ愛好会など市民のボランティアに加え、プロの漫才、落語など2日間にわたって、文字通り街中を巻き込んだ。併せて商店街ごとの独自イベントや「一店一品セール」「スタンプラリー」などを組み合わせ、誘客が始まった。これ以後、10月までのロングランイベントには、「街ん中カーニバル」、空き店舗利用の「市内全保育園児のほのぼの絵画展」「商店街ピアノコンサート」「体験そば打ち道場」「ナイトバザール」「ストリートギャラリー」「私の好きなもの店」「福の市」「遠回しショー」などが用意され、商店街の独自イベントに「セール」を併催した実験事業に挑んでいる。
 大型店やディスカウントショップに小売店や商店街が負ける一因は、消費者の購買選択から外されたということである。この教訓を生かして、今度は「商業の再発見」や「人間性回帰」「商業文化の創造」などを掲げ、元気の良い小売店や商店街のリベンジが始まろうとしている。

(糸魚川商工会議所 鈴木 裕恭)

 



一覧へ戻る一覧へ戻る