(日本商工会議所月刊誌「石垣」2000年4月号より)

織物産業の伝統が息づくファッションタウン

ファッションタウン桐生推進協議会(群馬県桐生市)


 桐生市は、江戸時代から「西の西陣、東の桐生」といわれ織物の街として栄えてきた。織物産業は、街のあちこちに、のこぎり屋根の織物工場や土蔵造りの店舗など桐生独自の景観を生み出し、これらは現在でも元来の機能を持った現役のものも多く、地場産業を支えている。桐生商工会議所では、これらの産業資源をはじめ、歴史、文化、自然、人材など桐生が長い間蓄積してきた資源を生かしたまちづくり=『ファッションタウン構想』を推進している。

▼まちづくりとしての“ファッションタウン構想”
 桐生のファッションタウン(FT)事業は、平成
5年度に全国初の「通産省都市ファッション化モデル地域」に指定されたのが始まりであり、桐生が育んだ歴史、文化、風土を生かした“まちづくり”としてのFTを目指している。桐生商工会議所が窓口となり、計画作りを行い、平成6年に基本コンセプトのもと68項目にも及ぶ具体策をFTビジョンとして提言した。
 平成9年度にFT構想の推進母体として、「ファッションタウン桐生推進協議会」(会長:岸田英作・桐生商工会議所会頭)を設立し、協議会内に生活文化、産業活性化、まちづくり、情報の4つの専門委員会を設け、それぞれ具体的活動に取り組んでいる。協議会設立早々、地方開催では全国初となる「ファッションタウン・サミット」を開き、桐生のFT推進の動きを全国に発信した。

▼「一店一作家運動」でモノづくり文化を発信
 桐生は、江戸時代には絹織物、明治以降は各種繊維製品をはじめ、織機や機械金属製品などを生産してきた「モノづくりのまち」であるが、今まで桐生で作ったものを桐生で売る機能がなかった。協議会では、製造と販売の営みが一体としてあることが、これからの桐生のまちづくりでは重要な要素であると考え、商店街がさまざまな「メイド・イン・桐生」を売る機能を持つことで、中心商店街が活性化するものと期待されている。そのため、中心商店街活性化プロジェクトと連携した、商店街と産業、アーチストをつなぐ「一店一作家運動」の実施を提唱している。これは、桐生でモノづくりを行っており、桐生で販売することに熱意を持っている人やグループ、団体、企業などを対象に商店街内の空き店舗を活用してもらい、桐生のモノづくり文化を広く発信してもらおうという試みで、現在「モノづくりの店」3店舗が開店している。

▼近代化遺産を有効活用
 協議会では、FTの推進に不可欠の景観整備についても取り組んでいる。市内に残る歴史的建造物を産業文化景観都市・桐生の歴史そのものを物語る貴重な遺産として位置付け、これら近代化遺産の有効活用を図る試みが目立っている。
 また、かつての織物取引市場跡地で毎月開催される買場紗綾市(かいばさやいち)、町家をリニューアルしたガラス工芸店や古着の店もある。現在、まちづくり委員会では、これら古い街並みが多く残る本町1、
2丁目地区の伝統的建造物群保存地区の指定を目指し活動中だ。

  

レンガ蔵や土蔵など11棟から成る「有隣館」

 

桐生市のシンボル的な存在「桐生明治館」

 

<お問い合わせ先>
 ファッションタウン桐生推進協議会(桐生商工会議所 総務課内)
住所 : 〒376-0023 群馬県桐生市錦町3−1−25
TEL : 0277-45-1201
FAX : 0277-45-1206
担当 : 桐生商工会議所 総務課(mailto:kiryucci@sunfield.ne.jp
URL : http://www.sunfield.ne.jp/kcci/htm/fasion.htm


 
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