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【最新海外事情レポート】第2回中国国際輸入博覧会が開幕(上海)

  昨年は鳴り物入りで第1回が開催された中国国際輸入博覧会の第2回目(会期:11月5~10日)が上海で開幕した。米中貿易戦争が長引く中で、国別の展示面積ではアメリカが最大ということである。中国にしてみれば政治とビジネスは別で、米国企業が中国市場に高い関心を持っていることの現れであると言いそうである。一方で、中国EU商会上海支部が会員に実施した調査では、1回輸入博では約半数の企業が期間中に仮契約があったが、その半数近くは実際のビジネスにつながらなかったというレポートもある。改革・開放を進めるという謳い文句の中で、今年の第2回輸入博はどのような結果をもたらすだろうか。

 

 今回の出展概要

 今回の輸入博では、国家総合展の展示面積は3万平方メートルに達し、60数ヶ国が国を挙げて出展している。また、企業商業展にはサービス貿易、自動車、設備、科学技術のある暮らし、質の高い暮らし、医療機器・医薬保健、食品・農産物の7つのブロックが設置され、展示面積は30万平方メートル以上、150ヶ国・地域の3千社を超える企業が出展している。

 

日本からは約220社が出展しているほかに、中小企業が出展しやすいように日本貿易振興機構(JETRO)が医療機器・医薬保健」、「食品・農産物」の2つの分野でジャパン・パビリオンを設置している。医療系で50社・団体、食品系では8自治体を含む108社・団体となり、オールジャパンで380社・団体と国別出展数ではトップクラスである。

                                      

 

<積極的な投資誘致>

  輸入博は多数の外資企業が集積する上海で開催されることから、中国全土から企業だけでなく、各省や市の地方政府がバイヤーとして参加すると同時に、地方政府等の投資誘致活動も並行して行われている。期間中には、輸入博会場の周辺や上海市内のホテルで投資環境説明会や省・市のトップとの座談会などが活発に行われている。上海日本商工クラブにも安徽省、四川省、陝西省、貴州省、武漢市、合肥市などなどの各省・市から会員企業である日本企業へのPRの依頼や参加要請があった。

 

 日中関係が良好な現在は日系企業の投資への期待が大変高いのであるが、中国側が求める投資は先端技術やイノベーションに関連する分野が中心である。既に環境規制が非常に厳しく、人件費などのコストも高いため、労働集約型の投資が歓迎されるわけではない。

 

 <上海の様子>

  輸入博の開催は国家イベントであり、北京の商務部から相当な人員が派遣され、上海市商務委員会とともに準備を進めてきた。昨年は会場から離れた江蘇省でも一部に操業規制などがあったが、今年は一斉操業停止のような指導は行われていない。また、各国首脳の来海と開幕式がある4日と5日は、相当な交通規制が行われることから、市・区政府や学校は休日となり、代わりにその前後の土曜日を稼働日とする対策が取られている。一方で、企業は自社の都合で対応してよいことから、多数の企業はカレンダー通りに勤務している。

 

 第1回に続き、第2回輸入博の開幕式に参加した習近平国家主席は、11月2日に上海入りし、3日には上海市内を視察している。以前は工場地帯であった楊浦区の黄浦江沿いに再開発された住宅エリアや、日本人も多く住む虹橋エリアの古北市民中心を訪れ、その発展ぶりに感心したようである。

 

<改革・開放への期待>

  輸入博は、中国にとって単に輸入拡大のイベントというわけではなさそうである。2010年に開催された上海万博では、地方の人たちに上海の現代的なインフラや生活様式を経験してもらい、それが地方都市の発展につながったように、上海の自由貿易試験区の仕組みや国際ビジネスを通じた改革・開放だけでなく、ゴミ分別や交通ルールを守るなどを中国の地方に拡大する大きなPRイベントとも言えそうである。

 

 来年からは新たな外商投資法が施行される。一部に外国企業や外国人に対する規制が厳しくなっていることも窺えるが、輸入博を開催する上海を先頭に中国の一層の改革・開放が進むことが期待される。

 

  

       第2回中国国際輸入博覧会会場

 


    JETROのジャパン・パビリオン(医療系)       

 

                                    (上海日本商工クラブ 事務局長 中村 仁)