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【最新海外事情レポート】カンボジア日本人商工会(JBAC)の挑戦!!(カンボジア)

   カンボジアといえば、内戦、大虐殺があった歴史、治安が悪いなど遅れた途上国のイメージを思い浮かべる方が多いのではないか。確かに過去にそのような不幸な歴史があったが、それから状況は急速に変わっている。

 

プノンペンの急発展

   初めて首都プノンペンを訪れた方は他のアジア諸国同様の躍動感を感じるはずだ。マクロデータではカンボジアの人口は1,600万人強、一人当たりGDP@1,600ドル弱、経済成長率は7.5%/年とASEAN一、プノンペン都区の人口は250万程度(2017)。プノンペン都区に限れば月収@300ドル以上の人が100万人いるという情報もある。香港、台湾、シンガポール、タイほど市場は大きくなく、また高所得層・在留外国人もそれ等の国々ほど多くないが、その100万人をターゲットにしたビジネスの可能性がある。

高層ビル・アパートの建設ラッシュ、街中にはレクサス、ハイラックス、レンジローバー、ポルシェカイエンが至るところに溢れている。Tuk Tukドライバーはスマホを2台持ち、携帯アプリを使った客引き、ナビ機能・決済を使いこなし、庶民に至るまでスマホの活用が進んでいる。5年前にイオンモールがプノンペン中心部に、2018年6月には11万平米の巨大な2号店が開店し、この都市にそんな需要があるのか?と驚かされる。昨今では日本の農水産物・食品の輸入量も急増しており輸出先市場として、また外食産業の進出先としても市場が拡大しているように思われる。品ぞろえ豊富なイオンが2つもあり買い物は便利、日本人学校、複数のインターナショナルスクール、日本人医師がいる総合病院や診療所、日本(成田)との直行便もあり、プノンペンにいる限り生活に困ることはない。

 

カンボジア日本人商工会(JBAC)の取組み

  日本企業も徐々に増えており、現在、約270社の会員企業がいる。最大勢力は製造業だが、昨今は商業、サービス業(法・会計・税務・IT・人材など)の会員企業が急増している。JBACの最大の取組は、カンボジアのビジネス環境整備に向けた課題のとりまとめ、政府への問題提起・改善要求を行うことである。投資誘致担当の特命大臣と駐カンボジア日本大使を共同議長とした「カンボジア日本官民合同会議」を年1~2回開催し、問題となっている法令・省令・通達・運用の改善を促す協議をしている。更に2018年より、事前に詳細にわたり所管省庁と個別面談し、問題提起をし、改善に向けて協議をしている。

 


           日・カンボジア官民合同会議の様子

 

  2019年になりフン・セン首相による中国投資と他国のバランス、日本企業やASEAN企業の更なる投資誘致促進方針もあり、カンボジア政府が真摯に日本企業の意見を聞き、改善に向けて動き出している事例がいくつか見られる。例えば2月1日には「カムコントロール」という商業省による貨物検査が事実上撤廃されたり、税関による貨物スキャン費用の半減、世界一多いといわれる祝祭日を28日間から22日に縮減、電力料金も段階的に引き下げる方針が出されるなど、JBACによる長年の取組・交渉が実り始めた。

 

とはいえ、税制(前払い法人税など)、労働政策(最低賃金上昇率、年功補償手当等)、電力料金と安定供給、通関の迅速化、行政手続きの不透明さなど依然、問題も多い。JBACとしては、政府交渉の知見を持つ大使館、JICAJETROと連携しつつ、引き続きビジネス上の課題・問題の改善・撤廃に向けて政府交渉・対話を行うことに注力している。


         経済財政省関税消費税総局との対話会

                                                                                       (カンボジア日本人商工会 事務局長 宮尾 正浩)