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【最新海外事情レポート】成長するオーストラリアの外食産業(オーストラリア)

 オーストラリアの外食産業はレストラン、カフェ、ファストフードの3つの分野に分類することができる。最近では、料理番組や健康志向の高まりからファストフードよりもプレミアムダイニングといった高級志向レストランや日本食レストランの人気が高まっており、嗜好も単なる外食から文化的なレジャーとしての意味合いを強めている。

 

 一方、オーストラリアのレストラン経営は個人や家族経営の小規模店舗が多く、市場を寡占化するような大きなレストランチェーンは多くないことが特徴であり、近年の外資系レストラン企業の進出はミドルクラス及び低価格ダイニング市場に集中している。外資系資本の特徴的な進出例としては台湾系資本の小籠包チェーンのディン・タイ・フォン(Din Tai Fung)、マレーシア大衆料理のパパリッチ(PappaRich)、イスラエルのチョコレートカフェブランドであるマックス・ブレナー(Max Brenner)の進出が挙げられる。

 

 日本食についてみると、最近の日本食のトレンドは本格的な高級和食レストランからスシロール(巻き寿司)、回転寿司に続いて、居酒屋、ラーメン店、焼き肉など細分化が進んでいる。麺類は、豚骨ラーメンだけでも様々な店が出来ている。人気店舗では日々行列ができる店舗もあり、今後も専門店化は進む見込み。一方で、日本人以外(主に中国人・韓国人)が経営する店舗も多く、本格的な日本の味や、日本のようなきめ細かなサービスを提供している店舗は多くない。

 

 人口の約28.5%が外国生まれの多民族国家であるオーストラリアには多様な嗜好の消費者が存在し、彼らの嗜好は料理の味のみならず、レストランの空間デザインやカスタマーサービスのタイプに至るまで多岐にわたる。こういった中において外資系のレストランチェーンは自社のブランド力や差別化を図ることによりオーストラリア市場での位置を確保している。また、近年はスマートフォンやタブレットを使ったオンラインによる注文配達サービス(Deliveroo,UberEATS等)が増加傾向にある。

 

 2017329日付の 2016 Australian Multi-Screen Reportによれば、オーストラリアのスマートフォンの普及率は84%、タブレットの普及率も50%となっていることから、オンラインマーケティングやソーシャルネットワークを通じた情報発信も重要な要素となっており、どのようなツールを用いて自社のブランド力を高め、差別化を図るかが重要なカギとなっている。

 

 オーストラリア経済は、実質GDP成長率が1991年7-9月期から2017年4-6月期まで104四半期連続で景気後退(2四半期連続のマイナス成長)がなく、オランダを抜いて世界最長記録を更新するなど、成長を維持している。また、今後も長期的に自然増と移民流入の両面から人口増加が見込まれている。成長を続けるオーストラリアの外食市場に進出を検討してみてはどうか。

 

 

 


(シドニー日本商工会議所 事務局長 原田 芳明)