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【海外最新事情レポート】日韓の生活様式・マナーの違い~駐在2年で体感してきたこと~ (ソウル)

 前回の拙稿では昨年春時点でのいわゆるK防疫について紹介させていただき、今回は当地におけるワクチン接種の状況について紹介したいと考えていたものの、韓国国内での供給不足により当初の予定が後ろ倒しとなり、筆者の順番が一向に回ってこないため、趣旨を変え、韓国の生活やマナーで、日本とは違う点、注意した方が良いと思われる点をいくつか紹介することとしたい。コロナ禍で日韓の往来が途絶えている状況が続いているものの、足元で韓国側がビジネスや親族訪問等に限って隔離免除措置を打ち出しており、近い将来訪韓される際や、新大久保などの韓国料理店へ行かれる際の参考にしていただければ幸いである。

 

<食事のマナー>

 韓国で食事をする際、まず、箸やスプーンは先の部分を相手の方に向けるようにしてテーブルの上に置くのが正解で、韓国で食器を持ち上げて食べるのは非礼にあたるため、食器はテーブルに置いたまま、ご飯と汁物はスプーンですくい、おかずは箸でつかんで食べるのが一般的に正しい作法と言われている。先日同僚とお寿司を食べた際、味噌汁をスプーンですくって食べる同僚に「味噌汁は日本食なので箸で」と注意した矢先に、食べ終わった箸を無意識に韓国式に置いていたことをすかさず指摘されてしまい、日本に帰る前に「リハビリ」が必要かもしれないと本気で思った次第である。

 また、スープにご飯を入れて混ぜて食べるのもマナー違反ではなく、店・料理によっては食べ方までご指示があり、幼少期に猫マンマはダメと躾けられた筆者も仕方なくそうしたご指示に従って食べると、これが案外美味しかったりするので侮れない。

 

<飲酒のマナー>

 瓶のお酒をグラス等に注ぐ際、日本では片手で瓶を持ち、もう片方の手は瓶に添えたりするが、韓国ではもう片方の手は自分の腕や胸のあたりに添えるのが一般的。これは韓国の伝統衣装「韓服(ハンボク)」の袖丈が長かったため、袖が濡れないようにした動作に由来していると言われている。また、目上の人に対して正面を向いて飲むことは非礼とされており、お酒を目上の方と飲むときは、体や顔を少し横に向け、左手で少しグラスを隠して飲むという作法もあり、外国人相手にはあまり使わないようではあるが、女性や突出して若い男性がそのような所作をしているのを時々見かける。支払いに関しては日本人同士では割勘や、場合によっては年長者や男性が少し多めに出すのが一般的であるが、韓国人は割勘ではなく訪れた店ごとに分担するのが一般的であるため、例えば韓国人と3人で飲みに行く場合、1軒ずつ支払いを分担して3次会まで覚悟しなければならないと言われている(最近は若者を中心に割勘をする人が増えており、コロナ禍の時間制限に対応して過度な飲み方は減っているようではあるが)。

 

<呼称のマナー>

 韓国は儒教に根差した年功序列社会で、相手が1歳でも年上ならその呼び方や言葉遣いが変わるので、初対面の人に年齢を聞くのはマナー違反ではなく、自然な会話の流れで筆者などにも聞いてくる。日本では親族にだけお兄さん、お姉さんという呼び方をするが、韓国では親族ではない年上の人に対しても親しみを込めてお兄さん、お姉さんという呼び方をする。話者の性別によっても区別され、男性は年上の男性にヒョン(一回り以上年上ならヒョンニム)、女性にはヌナ(同ヌニムであるが、こちらはヌナに統一しておいた方が無難)、女性は年上の男性にオッパ、女性にはオンニという呼び方をするため、呼称だけで当該人物の性別や話者との上下関係がある程度把握できる。ただ、実の兄弟も単なる友達も同じ呼び方なので、その人の名前や職業、特徴などを付けて弁護士オッパ、日本語ヌナ、チンッチャ・オッパ(実の兄)などと区別・確認しながら使っている。 

 筆者が15年ほど前に初めて訪韓した頃には、飲食店のおばさんはアジュンマ(おばさん)、アルバイトの若い女性はアガシ(お嬢さん)と呼ぶのが一般的であったが、いまやアジュンマもアガシも死語となり、飲食店で店員に話しかけたい時は、年配の人であればサジャンニム(社長)やイモ(自分の母親の妹にあたる叔母)、若い人であればヨギヨ(こっちに来て)やチョギヨ(そこの人)などと呼ぶのが一般的となっている。理由は諸説あるものの、おばさんは若く見られたいという意識が高まって面と向かっておばさんと呼ばれるのを嫌うようになり、アガシは夜の職業を連想してしまうからという説が有力であるようだ。

 

<カカオ(KAKAO>kakao.png

 日本のライン(LINE)が主流であるが、カカオ(KAKAO TALK)は韓国で日本のライン以上に利活用されているコミュニケーションツールである。というのも電話番号と1対1でリンクしているため、知人・友人とのコミュニケーションのみならず、韓国政府(含・郵便局)や金融機関、配送業者、出前アプリ等からの各種情報がカカオに入ってくることが多く、カカオ無しでの韓国での生活は非常に不便であると思われるからである。

 カカオトークにはカカオペイという決済機能もあり、インターネットや店舗での決済手段としても有効であるうえ、カカオペイに登録している者同士であれば簡単に送金し合えるため、日本人駐在員同士の割勘精算時に大活躍している。

 また、カカオタクシーというサービスでは、レストラン等でそろそろ帰ろうかというタイミングで出発地と到着地を住所(コピペ可)や地図から探して指定し、会計などをしながら待っていれば、数分後に配車してくれる。韓国国内発行のものに限定されるものの、クレジットカードを登録しておけば、降車時のメーター料金がインターネット経由で自動的に引き落されるため、降車時の精算が不要で雨の日や荷物が多い日などに非常に重宝している。ただし、最終の地下鉄やバスの直後のタイミングや大雨の日、コロナ禍での時間制限終了のタイミングなどでは需要が殺到し、30分待ってもつかまらないということもままあるので注意が必要である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(ソウルジャパンクラブ 常務理事 橋爪 孝徳)