今後の地球温暖化問題への対応について

 

平成13年12月
日本商工会議所 



 地球温暖化の問題は、地球上の生態系そのものに深刻な影響を及ぼすおそれのある、全人類共通の課題である。したがって、本来、世界各国が共同で公平に負担を分かち合い、対処すべきものである。

 しかるに、COP7(気候変動枠組み条約第7回締約国会議)閣僚会議で、米国の参加が得られないまま、京都議定書の運用ルールの最終合意書に日本が署名したのは誠に遺憾である。

 先進国全体で達成すべき温室効果ガス削減量の約半分を担っている米国が参加しない枠組みでは、温室効果ガス削減の実効性があがらないのみならず、2020年の予測値では、世界の二酸化炭素排出量の約半分を占めることが予想されている発展途上国が参加することについての約束も、同枠組では未だ取りつけられていない。

 京都議定書による温室効果ガス排出量削減への取り組みを、まず先進国間で始める現行の枠組においても、わが国の負担はEU等に比べ著しく大きなものであり、米国の参加が得られないことに加えて、経済成長率が高く排出量の増加が著しい中国やインド等の途上国の削減が義務付けられていない枠組では、一層、わが国にとって不平等な負担となるのみならず、地球全体としての削減効果はあがらないことになる。

 こうした、効果が少なく、かつ、わが国にとって著しく不利な条約によって、国際的な義務を担うことは、わが国の国民全体に過大な負担を課すこととなるため、京都議定書を批准することについては、十分に慎重であるべきである。

 いずれにしても、京都議定書を批准しようという条約義務を負う意思決定を行うのであれば、国民に対し、同枠組の内容が国際的に公平なものであるのか、国民の負担はどの程度重いものとなるのか、地球全体としてどのような効果があるのかなどについて十分に周知し、国民的な議論を行ったうえで判断すべきである。