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会頭コメント

中央最低賃金審議会目安に関する小委員会の公益委員見解について

  今般、中央最低賃金審議会目安に関する小委員会において、全国平均で14円という最低賃金の大幅な引上げ額が示されたことは、誠に遺憾である。
 最低賃金法において、最低賃金は、①労働者の生計費、②類似の労働者の賃金、③通常の事業の賃金支払い能力、の3つを考慮要素として定めなければならないとされており、審議会の議論を経て定めることとされている。
 現状では、①デフレの中で生計費に大きな変化は見られず、②最近の実勢賃金の上昇幅は、厚生労働省の賃金改定調査結果によれば全国平均で5円であり、大幅な引上げはこうした実態とかけ離れており、法律の趣旨からも根拠がない。
  同目安に関する小委員会において、「従来の考え方の単なる延長線上ではない」引上げを求める、成長力底上げ戦略推進円卓会議の要望に一定の配慮をすること は理解できる。しかし、一方で、同円卓会議からの要望には、「中央最低賃金審議会においては、これまでの審議を尊重しつつ」、「雇用に及ぼす影響や中小零 細企業の状況にも留意」することも併せて明示されている。
 いずれにせよ、実勢(上記調査結果)の3倍という引上げは、到底、容認できるものではない。
  企業の経営実態を無視した無理な最低賃金の引上げを強制することは、労使が一体となって必死に生き残りの努力を続けている、収益性の低い中小零細企業の息 の根を止め、ひいては、経営者はもとより、そこに働く70万人以上の労働者の生活にも重大な影響を与えることが懸念される。
 さらに、ブロック別の引上げ額に大きな差が設けられているが、これはかえって、地域間の賃金格差を一層拡大し、政府の方針である格差の固定化の防止と矛盾するのではないか。大事なことは、企業の生産性を向上させ、支払能力を拡大することである。

以 上