02.11.19 政府税制調査会の答申に対するコメント


   
 1. 政府税調の答申は、投資減税など景気に対してもある程度の配慮が窺われ、また同族会社の留保金課税の見直しなど中小企業の税負担軽減にも一定の配慮がみられる点は評価できる。しかし、デフレの深刻化により中小企業を中心に企業収益が悪化し、所得も減少する状況の中で、財政規律のみを優先して増税路線がとられているのは納得できない。本年度税制改革で大事なことは、デフレ脱却と経済再生のためにどれだけ有効な手を講じることができるかどうかである。そのためには、需要創出、景気浮揚に役立つ減税を先行させる必要がある。

2. 赤字企業が増え、事業税収入が減少しているのは、財政再建を優先して結果としてデフレを促進したためである。法人事業税に外形標準課税を導入する方針を明記したのは、そうした政策により苦境に立たされている中小企業に対してさらに増税の鞭を加えるもので、誠に遺憾であり、到底容認できない。また、消費税の免税点制度の縮小と簡易課税制度の廃止を打ち出したのも、中小・小規模事業者の経営実態を無視するものであり、断固として反対する。

3. 一方、相続税と贈与税を一体化して若年世代への資産移転をすすめる措置や、土地税制の軽減、証券税制の簡素化などが盛り込まれたのは、景気にとってプラス要因となり、一歩前進である。

4. いずれにしても、今年度は3兆円弱の税収不足が生じることとなったのも、財政再建を重視しすぎた政府の見通しの甘さに起因している。このままではさらに経済が縮小して、財政再建も遠のくばかりである。いまは政府の方針を転換して、思い切った減税を先行させ、なんとしてもデフレからの脱却を図るのが、将来の財政健全化へ向けた唯一の道である。

以 上



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