02.05.31 ムーディーズによる日本国債格下げに対するコメント


   
 ムーディーズが今回、円建て国債をさらに引き下げたが、景気がなお低迷しているとはいえ、貯蓄水準の高さや世界最大の債権国たる日本経済のファンダメンタルズを考えれば、不当に低い評価と言わざるを得ない。1民間企業の評価とはいえ、このまま放置すれば日本国債の売り圧力が強まり、結果として景気に悪影響を及ぼす恐れがあるので、明確な根拠の提示を求めるなど政府としても何らかの対応をすべきだろう。
 格付け機関による一方的な格下げは遺憾だが、景気がようやく底入れへの気配を見せているいまこそ、需要創出策が最も効果を発揮するタイミングなので、政府としては機を失せず、減税や予算の効果的かつ早期執行など、デフレからの脱却、自律的成長へ向けた経済活性化策を、小出しにすることなく実施し、格付け機関の正当な評価を問うべきである。

以上



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