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中心市街地・商店街活性化のための総合的対策に関する要望
全国の多くの地域からは都市中心部の空洞化、商店街の衰退を訴える声がかつてな
く高まり、地域全体の街づくりの視点に立って中心市街地・商店街を活性化すること
は緊急の課題である。
日本商工会議所は去る4月に「地域間競争下における街づくりと商店街の活性化に
関する提言」を決議、中心市街地・商店街の活性化の重要性、緊急性を訴えた。その
後、政府は、5月に閣議決定した「経済構造の変革と創造のための行動計画」に基づ
き、通産・建設・自治をはじめとする関係11省庁が連携して、総合的・抜本的な対
策に取り組むこととしており、大規模な予算措置、及び、新規立法を含む大胆な支援
制度の創設が図られることを強く期待する。このため、当所として中心市街地・商店
街の活性化促進に関し、特に、下記事項の実現方を要望する。
また、当面する大店法見直し問題については、政府の中心市街地活性化対策を受け、
今後、各地において、地域特性を活かした多様な活性化事業が活発化することを前提
として検討される必要があり、これ以上の大店法の規制緩和は厳に避けるべきである。
記
T.中心市街地・商店街活性化対策推進のための体制整備
1.「中心市街地活性化法」(仮称)の制定
中心市街地の活性化のためには、大規模な予算措置はもとより、関係省庁が一体
となった継続的な対応が不可欠である。このため、政府として、活性化対策を総合
的・持続的に進めることを目的とした「中心市街地活性化法」(仮称)を新たに制
定されたい。
また、省庁間の連携の維持・強化をはかるため、関係省庁で構成する恒常的な連
絡組織を設けるとともに、市町村の国に対する相談・手続き等が円滑に行えるよう
窓口の統一化等の環境整備に努められたい。
2.都道府県・市町村における推進体制の整備
都道府県・市町村は、地域間競争を念頭に、その特性に応じた、地域固有の中心
市街地活性化策を自ら作り上げ、実行する必要がある。このため、この活性化策を
地域における最優先課題とし、一元的な街づくり部署を早急に設置するとともに、
商業者、住民等の実質的な参加による地域資源の発掘、及び、それを活かした活性
化計画づくり、国の支援策の積極的な研究・活用等を行われたい。また、公共的な
施設は可能な限り中心市街地に立地することが必要である。
U.中心市街地・商店街活性化対策の推進
1.中心市街地活性化に向けた計画づくりに対する支援
- (1)市町村が策定する活性化基本構想への支援(通産省・自治省)
- 中心市街地活性化のために市町村が基本構想を策定する場合の調査・研究費等
に対する支援策を創設されたい。
- (2)基本構想策定マニュアルの作成(国土庁)
- 基本構想策定における留意点、関係省庁の各種支援策、各地の先行事例等を内
容とするマニュアルを作成、地方自治体・関係団体等に配布し普及を図られたい。
2.中心市街地における商業・サービス業の立地促進と中小小売業の育成
- (1)中核的な集積関連施設等の整備(通産省)
- @地域振興整備公団が地元の第三セクター等と協力し、市町村の策定する基本構
想に基づいて商業・サービス業集積関連施設の用地確保と施設整備を行う事業
を創設されたい。
- A店舗、展示ホール、駐車場、荷捌き施設等、中心市街地における商業・サービ
ス業集積関連施設の整備を行う地方自治体・第三セクター・民間事業者に対す
る補助制度、出資・低利融資制度を創設されたい。
- (2)商店街等の活性化に向けた施設整備事業等に対する支援(通産省)
- 商業施設、商業基盤施設等のハード整備と商店街活性化に向けたソフト事業の
一体的な実施に対する支援策を創設されたい。
- (3)タウン・マネージメント機関の事業に対する支援(通産省)
- @商工会議所等のタウン・マネージメント機関による中心市街地のテナント・ミ
ックス管理に関する計画を策定する事業等に対する支援策を創設されたい。
- A中心市街地におけるハード・ソフト事業、テナント・ミックス管理等を一体的
に行い、戦略的な指導・助言を行うことができる高度な専門知識を有する街づ
くり専門家(タウン・マネージャー)の養成・派遣事業を創設されたい。
- (4)中心市街地におけるテナント・ミックス管理のための基金の創設(通産省)
- 中小企業事業団高度化融資と都道府県の拠出金により、中心市街地のテナント
・ミックス管理のための事業や計画策定事業等を助成する基金を各都道府県に創
設されたい。
- (5)中心市街地への新規開業・キーテナント誘致等に対する融資制度の抜本的拡充(通産省)
- @中心市街地において新たに開業する中小小売業者・サービス業者等に対する低
利融資制度を創設されたい。
- A中心市街地で街づくり会社が共同店舗を整備してキーテナントを誘致する場合
に、中小企業事業団の高度化融資により支援されたい。
- B商店街のテナント・ミックスに資すると認められる場合、空き店舗の取得・整
備に対する高度化融資により支援されたい。
- C設備近代化資金貸付制度を拡充し、中心市街地等の中小小売業者に対する無利
子融資の対象を拡大し、店舗の改装、拡充を支援されたい。
- (6)商店街等活性化に向けた先進事業に対する支援(通産省)
- 空き店舗対策、駐車場対策等、商店街の活性化のための先進的事業に対する支
援策を創設されたい。
- (7)商店街事務局機能の強化のための支援(通産省)
- 商店街が活性化計画の策定や高度化事業等の活性化事業に取り組む場合、商工
会議所等が専門知識や経験等を有する者を派遣する事業を創設されたい。
- (8)中心市街地における商工会館の建設促進(通産省)
- 集客施設の一つとして、中心市街地における商工会館の建設を促進されたい。
- (9)小売商業の経営効率化・情報化への支援(通産省)
- @中小小売業向け業務アプリケーション・ソフトウエア開発事業に対する支援を拡
充されたい。
- A中小企業の製・配・販オープン情報ネットワーク開発事業に対する支援を拡充
されたい。
- B中小小売業商品データベース整備事業に対する支援を拡充されたい。
- (10)物流の効率化・高度化、電子商取引の普及促進(通産省)
- @情報技術を活用した高度物流情報化システムを構築するためのソフトウエアの開
発、及び、電子商取引のモデル事業を創設されたい。
- A中小卸売業者等が物流効率化を図るための検討を行う場合、適切に指導できる
専門家の派遣等、中小卸売業者等が行う物流効率化事業への支援策を拡充され
たい。
- (11)空き店舗等を活用した地域食品の販売事業等の推進(農水省)
- 中心市街地への集客を図るため、商店街における空き店舗等を活用して、民
間団体が行う地域の生鮮食品等の共同販売事業に対する補助制度を創設された
い。
3.都市型産業の活性化(通産省)
-
- 中心市街地における都市型産業の新たな事業展開を支援するため、地域振興整備
公団による施設整備事業、公共的施設等の整備を行う地方自治体等に対する支援事
業等を創設されたい。
4.中心市街地における基盤整備の推進等
- (1)「街なか再生事業」(仮称)の創設 (建設省)
- 中心市街地において、道路・公園等の基盤整備や散在する低未利用地の入れ替
え、集約化による土地の有効利用を図り、行政・民間の建築投資等を誘導して、
福祉・文化施設等の各種生活交流施設等の立地を図るため、新たに必要となる基
盤整備、街区再編、公益施設の立地促進等を推進する「街なか再生事業」(仮称)
を創設されたい。また、土地区画整理事業、市街地再開発事業における補助を拡
充されたい。
- (2)「賑わいの道づくり事業」(仮称)の創設(建設省)
- 市町村が策定する中心市街地活性化のための基本構想に基づき、バイパス、歩
道、コミュニティー道路、電線共同溝、ポケットパーク等を一括して整備し、中
心市街地へのアクセス、街並みの快適性を向上させる「賑わいの道づくり事業」
(仮称)を創設されたい。
- (3)地方自治体の自主的な振興策に対する支援 (自治省)
- 地方自治体が自主的・主体的に行う商店街等の振興整備、良好な都市基盤の形
成等、福祉・文化等の機能の充実、居住環境の整備等に係る公共施設の整備を支
援されたい。
- (4)観光客の来訪を促進する施設等の整備 (運輸省)
- 観光客の誘致を促進し、賑わいを創出することによって中心市街地の活性化を
図るため、低利融資制度等により、駅等交通ターミナルと一体となった宿泊施設
等の整備を促進されたい。
- (5)「マルチメディア街中にぎわい創出事業」(仮称)の創設 (郵政省)
- 中心市街地の利便・集客力の向上を図るため、マルチメディアを活用した施設
等を整備する地方自治体・第三セクター・公益法人に対する補助を行う「マルチ
メディア街中にぎわい創出事業」(仮称)を創設されたい。
- (6)魅力ある職場づくりと人材確保・育成に対する支援 (労働省)
- 商店等が中心市街地等において、空調設備や防音装置等の労働環境改善設備、
従業員宿舎や託児施設等の福祉施設の設置・整備を行い、併せて人材の確保・育
成を図る場合に、費用の一部を助成する等、魅力ある職場づくりを支援されたい。
5.駐車場整備・交通対策の推進
- (1)駐車場整備に対する支援の拡充 (建設省)
- 地方自治体や民間等が行う立体駐車場等の整備を促進するため、補助制度及び
無利子貸付制度を拡充されたい。
- (2)公共交通システムの整備 (運輸省)
- トランジットモールの整備、コミュニテイバスの導入、高齢者等に配慮した新し
い路面電車(ライトレール)の導入等、中心市街地内の交通改善、中心市街地へ
のアクセス利便の向上を図るため、公共交通システムの整備を促進されたい。
- (3)交通安全施設の整備(警察庁)
- 中心市街地の渋滞緩和に資する信号機の集中制御化、駐車誘導システム、歩行
者の安全を確保するための歩行者感応信号機等の整備、また、バスの定時運行の
確保のための公共輸送機関優先システムの整備を促進されたい。
6.中心市街地における居住人口の増加策の推進
- (1)中心市街地活性化住宅の供給 (建設省)
- 多様な世帯の居住により中心市街地の活力を取り戻すため、公庫融資の優遇、
地域事情に応じた地方自治体による建設費補助、家賃補助、利子補給に対する補
助等により、商業者の職住一致、Uターン者や若年勤労者の優先入居を可能とす
る住宅供給を促進されたい。
- (2)「都市型複合デイサービスセンター」の整備(厚生省)
- 中心市街地における在宅福祉の推進を図るため、公営住宅等に在宅福祉機能を
持った「都市型デイサービスセンター」を整備し、地域の高齢者が安心して居住
できる環境の整備を促進されたい。
- (3)社会福祉・スポーツ施設の整備等(厚生省・文部省)
- 中心市街地において社会福祉施設、保育園、在宅介護支援センター、スポーツ
施設等の整備を進めるとともに、健康づくり教室の開催等、施設と一体となった
ソフト事業を拡充されたい。
ryutu@jcci.or.jp