当面の経済運営に関する緊急提言


平成13年9月20日
日 本 商 工 会 議 所


 わが国経済は、極めて深刻な状況にあり、加えて、今回のアメリカの同時多発テロにより、国内経済への悪影響が憂慮されるだけでなく、世界同時不況を招く懸念が高まりつつある。日本経済を再び持続的な成長路線に戻すためには、構造改革は避けて通れない重要課題であり、商工会議所としても支援していきたい。しかし、マイナス成長になれば、倒産や失業などがさらに増加し、構造改革は困難になるとともに、世界経済に対するわが国の責任を果たすことはできない。
 このため、国を挙げて、国難とも言うべき経済危機の現状に対処する必要がある。政府は直ちに、マイナス成長を回避する十分な景気浮揚策と、中小企業金融におけるセーフティネット整備などのための補正予算の編成等を行い、下記事項について実現を図られたい。


 1.構造改革に資する社会資本整備

 ブロードバンド化に対応した情報通信インフラ、地方の個性ある活性化や都市再生に資する交通インフラの整備等、その使途を十分吟味し、当面の景気浮揚にも効果的で、かつ、将来の日本経済の活力強化に役立ち、より構造改革の趣旨に沿った分野への重点的な投資を行われたい。


 2.中小企業セーフティネット対策の拡充・強化  若干の資金の補充で十分に存続可能な中小企業を倒産に追い込んだり、健全な中小企業を連鎖倒産に巻き込むことを回避するため、政府系金融機関によるセーフティネット貸付制度の充実強化、信用保証協会によるセーフティネット保証制度の基準緩和・運用弾力化、さらに再生円滑化のためDIPファイナンス(再建資金融資制度)の拡充等を図られたい。また、特殊法人改革にあたっては、政府系金融機関の中小企業に対する公的金融サービス機能が低下するような見直しは、当面行うべきではない。

 3.創業支援および中小企業の経営革新の推進  新産業、新雇用創出のため、創業を積極的に支援するとともに、中小企業が経営革新に取り組み、新分野や前向きの投資等に果敢に挑戦できるよう、創業や経営革新を担う人材の育成、新規開業者向けの無担保・無保証融資制度の拡充、売掛債権担保融資のための保証制度の創設等を図られたい。
 4.資産デフレ対策の実施  資産デフレに歯止めをかけるため、不動産の流動化、証券市場の活性化、民間住宅投資の促進など、税制面等の環境整備を図られたい。

以 上


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