平成14年度税制改正に関する要望

平成13年9月19日
日本商工会議所

 わが国経済は、世界的なIT不況による生産の減少等により設備投資が大幅に落ち込んでいることに加え、個人消費も低迷し、民需、外需ともに減退するなど、非常に厳しい情勢となっており、景気の先行きも極めて不透明な状態にある。
 こうした中で、政府では、持続的な経済成長を目指して、「聖域なき構造改革」に取り組まれているが、その実現には、わが国企業の大多数を占める中小企業が、これまで以上に経営革新に向け自助努力を積み重ねることこそが、構造改革の最大の推進力となると考えられる。
 税制は、国の活力を増大もさせ、沈滞もさせてしまう大きな影響力を有するものであることから、短期的には、中小企業等民間の経営革新に向けた自助努力を阻害する税制を取り除くとともに、自助努力を促す税制を整備し、企業活力の早期復活や維持・強化を図ることで、わが国経済を自律的回復軌道に乗せるための税制措置に万全を期すことが重要であり、また、中長期的にはわが国が持続的な経済成長を遂げるため、税制面から経済社会環境の整備を図ることが求められる。
 このような観点から、平成14年度税制改正にあたり、以下の事項の実現が図られるよう強く要望する。特に、資産デフレに歯止めをかけ、消費を盛り上げるためにも、証券市場の活性化や、不動産の流動化を促進するための税制改正については、可能な限り前倒しで検討し、早急に実施することが必要である。
 また、地方財政問題の解決を図るためとして、法人事業税への外形標準課税導入や地方独自課税(法定外税)の検討・実施の動きが見られるが、こうした地方行政サービスの受益者である地域住民に適正な負担を求め、納税者の理解を十分に得ることが必要なのは言うまでもないが、まずは納税者が納得できる行財政改革を徹底的に行うことが前提であり、安易な税制の見直しによる税収確保を求めるべきではない。法人事業税への賃金等を課税標準とする外形標準課税の導入は、企業の雇用や投資に抑制的に作用し、経済活力を削ぐおそれがあるなど大きな問題があり、この導入には絶対反対である。
 地方財政の問題は、景気回復が確実となった段階での税の自然増収や行財政改革による経費削減効果を踏まえたうえで、わが国税制の中長期的課題である直間比率の見直しなど、国・地方を通じた税・財政改革全体について議論することにより解決すべきである。


重点要望項目

1.法人事業税への外形標準課税導入には絶対反対
 法人事業税への賃金等を課税標準とする外形標準課税の導入は、企業の雇用や投資に抑制的に作用し、経済活力を削ぐおそれがある。また、担税力のない赤字法人や収益性の低い中小企業への課税強化となるほか、ベンチャー企業等新規開業支援に逆行する。さらには諸外国でも、「雇用、競争力に悪影響がある」として廃止の方向にあるものである。こうしたことから、この導入には絶対反対である。

2.新たな事業承継税制の確立等(詳細は「平成14年度事業承継円滑化のための税制改正に関する要望」を参照)
 事業承継に関わる税制措置については、近年、累次の税制改正により改善の方向にあるが、中小企業の「事業体」としての継続・発展は、わが国経済の活性化・構造改革の進展のために極めて重要であることから、より円滑に事業を承継できるようにするため、事業用資産に対する相続税については、諸外国の例に見られるように、例えば、5年程度の事業継続を前提に、課税対象額の5割を控除するといった、新たな事業承継税制を確立すべきである。また、既存の制度についても、相続税・贈与税の税率構造の見直しや取引相場のない株式の評価方法の改善を行う等、さらなる改善を図るべきである。

3.中小法人関係税制等の一層の改善
(1)同族会社の留保金課税制度の廃止
 同族会社の留保金課税制度について、設立後10年以内の中小企業者等については、平成12年度から2年間の適用停止となっているが、そもそも留保金課税は、中小企業にとって、経営基盤の強化と新規事業展開等、企業活力の再生を図るために必要な内部留保の拡充を阻害するものとなっている。また、法人税率と所得税最高税率との格差が大幅に縮小されている今日、もはや留保金課税の存在意義は失われたといえることから、全面的に廃止すべきである。
(2)欠損金の繰越控除期間の延長および繰戻還付の復活
 欧米先進国に比べて短い欠損金繰越期間(現行:原則5年)を延長(例えば10年)すべきである。また、租税特別措置法で原則不適用とされている繰戻還付制度の適用を認めるべきである。
(3)中小法人軽減税率の適用所得金額の引き上げ
 中小企業の体質強化と活力増進を図るため、法人税の中小企業軽減税率について、昭和56年以来据え置かれている適用所得金額(現行800万円)を引き上げるべきである。
(4)設備投資・研究開発の促進のための税制措置の維持・拡充
 構造改革を断行するためにも、企業活動を萎縮させないような機動的な経済運営を行うことが必要であることに鑑みると、中小企業の前向きな投資や研究開発は、新たな雇用や産業創出の原動力であり、まさに構造改革を成功させるためにこそ必要である。こうしたことから、中小企業のIT革命への対応や設備投資および研究開発を促進するため、中小企業投資促進税制、中小企業技術基盤強化税制(特別税額控除の特例(10%))の適用期限を延長すべきである。また、同様の趣旨から、少額減価償却資産の取得価額基準(現行10万円)を引き上げるべきである。
(5)ベンチャー・新規創業支援のための税制措置の拡充
 ベンチャー・新規創業支援の観点から、ベンチャー企業への投資家の投資ロスと他の所得との損益通算を認めるほか、ベンチャーキャピタルが創業後一定期間内の企業に対して行う出資額の一定割合について所得控除を認めるなどの措置を講ずるべきである。
 また、次期臨時国会に提出が予定されている商法改正案により、ストックオプションの付与対象等の規制が撤廃され、キャッシュフローの乏しいベンチャー企業等が人材確保を図るうえで、一層有効な手段になると考えられるが、税制の適用を欠いては実効性が上がらないことや、現行の課税特例措置が適用される年間権利行使総額(1,000万円以下)ではインセンティブとして魅力に欠けるという問題もあることから、適格対象者(現行:自社の取締役または使用人)の拡大および年間権利行使総額の上限の引き上げを図るべきである。

4.連結納税制度の早期導入
 企業の事業組織選択に対する税制の中立性を確保し、戦略的な事業組織の再構築を円滑化するため、一定の企業グループを課税単位とする連結納税制度を平成14年4月に確実に導入すべきである。
 その際には、連結納税制度の導入の意義は産業の活性化であることに鑑み、会社規模の大小を問わず使い勝手のよい制度とすべきである。

5.証券市場活性化のための税制改正
(1)株式譲渡益の申告分離課税の税率引き下げ等
 国税・地方税合計した現行税率26%は、利子に係る税率(20%)よりも高く、リスクテイクの度合いに合致しないため、これを10%程度に引き下げるべきである。また、今年10月から創設される、1年超保有株式に係る100万円の非課税枠(平成15年3月31日までの時限措置)については、非課税枠を大幅に拡充するとともに恒久化すべきである。
(2)株式譲渡損失の翌年以降への繰越控除制度の創設等
 現行制度では、株式等の譲渡損失は、株式等の譲渡益とのみ損益通算可能で、かつ、翌年以降への繰越しが認められていない。このため、欧米諸外国においても認められている株式譲渡損失の5年間の繰越控除制度を創設するとともに、類似金融商品(株式投資信託等)間での損益通算を認めるべきである。

6.土地の有効利用および流動化を促進するための税制改正
 土地の有効利用と流動化の観点から、流通税のさらなる軽減(不動産取得税の廃止、登録免許税の手数料水準までの引き下げ)や、個人の長期譲渡所得課税の特例制度における税率(現行:原則、国税・地方税合計26%申告分離課税)の更なる軽減、事業用資産の買い換え特例の繰延べ割合(現行80%)の100%への引き上げ、住宅ローン減税のさらなる拡充等を図るべきである。

7.納税者番号制度の導入
 経済活動のボーダレス化、金融資本取引の多様化、電子商取引の拡大等の情報化・電子化の進展に伴い、課税の公平性・公正性を確保するため、納税者番号制度導入に向けて取り組むべきである。その際には導入コストの抑制を念頭におくとともに、情報漏洩防止に万全を図り、目的を逸脱した使用には厳罰を科すなどの配慮を図る必要がある。

8.公益法人課税強化に反対
 公益法人課税の見直しは、個々の公益法人の活動実態を十分踏まえて実施する必要があり、商工会議所のような特に公益性の高い法人は、その存在意義や役割がむしろ地方自治体や公共法人と同等であるといえるので、現行以上の課税強化は行うべきでない。


要望項目

T.国 税

1.所得税

(1)中小企業投資促進税制、中小企業技術基盤強化税制(特別税額控除の特例(10%))の適用期限を延長すること。

(2)中小企業新技術体化投資促進税制(メカトロ税制)について、対象設備の見直しを行いつつ、適用期限を延長すること。

(3)少額減価償却資産の取得価額基準(現行10万円)を引き上げること。

(4)M&Aによる企業組織再編の促進や、円滑な事業承継の支援を図るため、経営権の譲渡となる発行済株式総数の3分の2以上の株式を譲渡した場合、譲渡益課税を2分の1に軽減すること。

(5)青色申告特別控除制度について、青色事業主の勤労性所得を考慮した「勤労所得控除(仮称)」を創設するとともに、青色申告特別控除の簡易記帳に係る経過措置の適用期限の延長等を行うこと。

(6)ベンチャー企業への投資家の投資ロスと他の所得との損益通算を認めること。

(7)次期臨時国会に提出が予定されている商法改正案により、ストックオプションの付与対象等の規制が撤廃されることにともない、適格対象者(現行:自社の取締役または使用人)の拡大および年間権利行使総額の上限(現行:1,000万円)の引き上げを図ること。

(8)公開前3年超保有した株式の譲渡益に係る譲渡所得の特例について、創業時から株式を所有していた場合は、株式公開前3年超の株式所有の要件を満たさなくてもよいこととすること。

(9)株式譲渡益の申告分離課税(税率20%)は、利子に係る税率よりも高く、リスクテイクの度合いに合致しないため、これを地方税(住民税)と合わせて10%程度に引き下げること。

(10)株式譲渡益の申告分離課税において、今年10月から、1年超保有株式に係る100万円の非課税枠(平成15年3月31日までの時限措置)が創設されるが、非課税枠を大幅に拡充するとともに恒久化すること。

(11)株式譲渡損失の5年間の繰越控除制度を創設するとともに、類似金融商品(株式投資信託等)間での損益通算を認めること。

(12)少額配当所得(税率20%源泉徴収、確定申告不要)の上限を現行10万円から引き上げること。

(13)長期譲渡所得課税の特例制度における税率(現行:原則、国税・地方税合計26%申告分離課税)の更なる軽減等を図る等、土地の有効利用を促進するための措置を講ずること。

(14)住宅ローン減税のさらなる拡充を図ること。

(15)給与所得者が職業能力の開発・向上に資する自己啓発を行った場合の費用を特定支出控除の対象とすること。

(16)企業の株式発行・譲渡による資本調達力を強化するため、個人段階における配当二重課税を是正すること。また、法人における受取配当不算入割合を100%に引き上げること。

(17)「産業活力再生特別措置法」に係る事業革新設備の特別償却制度について、対象となる事業革新設備の範囲を拡大すること。

(18)非居住者及び外国法人に対する民間国外債の利子等の非課税措置の適用期限を延長すること。

(19)「短期社債等の振替に関する法律」第2条第1項に規定される短期社債の償還差益については、約束手形コマーシャルペーパーの場合と同様に、源泉徴収を行わないこと。

(20)企業が自己株を取得する場合において、自己株の公開買付に応じる個人株主に対する、みなし配当課税の凍結措置の適用期限を延長すること。

(21)2005年日本国際博覧会(愛知万博)の成功のためには、民間企業等による出展参加を支援することが必要であることから、愛知万博に出展する民間企業等が積み立てる出展のための準備金について、必要経費に算入する制度を創設すること。

(22)「阪神・淡路大震災の被災者等に係る国税関係法律の臨時特例に関する法律」に関する被災代替資産等の特別償却、特定の資産買換えの場合の課税(譲渡所得)の特例措置について、適用期限を延長すること。

(23)エネルギー需給構造改革投資促進税制について、対象設備の見直しを行いつつ、適用期限を延長すること。

(24)製品輸入促進税制の適用期限を延長すること。

(25)「輸入の促進及び対内投資事業の円滑化に関する臨時措置法」に基づく特定集積地区において輸入関連事業者が取得する一定の事業用建物・機械設備に対する特別償却制度について、適用期限を延長すること。

 

2.法人税

(1)同族会社の留保金課税制度について、全面的に廃止すること。

(2)法人が支出する交際費については、企業会計原則に則り、全額損金算入を認めること。なお、全額損金算入が難しい場合には、平成6年度改正前と同様、少なくとも、資本金5,000万円以下の法人について、交際費支出額のうち、定額控除限度額(支出額が定額控除限度額に満たない場合は、支出額の全額)まで損金算入を認めること。

(3)欧米先進国に比べて短い欠損金繰越期間(現行:原則5年)を延長(例えば10年)すること。

(4)租税特別措置法で原則不適用とされている繰戻還付制度の適用を認めること。その適用ができない場合には、中小企業者が新規創業後5年間に生じた場合や、「中小企業経営革新支援法」に規定する承認経営革新計画に従って経営革新のための事業を行う場合等で認められている、欠損金の繰戻しによる還付の不適用の適用除外措置の適用期限を延長すること。

(5)中小企業の体質強化と活力増進を図るため、法人税の中小企業軽減税率について、昭和56年以来据え置かれている適用所得金額(現行800万円)を引き上げること。

(6)中小企業投資促進税制、中小企業技術基盤強化税制(特別税額控除の特例(10%))の適用期限を延長すること。

(7)中小企業新技術体化投資促進税制(メカトロ税制)について、対象設備の見直しを行いつつ、適用期限を延長すること。

(8)少額減価償却資産の取得価額基準(現行10万円)を引き上げること。

(9)私立学校への民間資金導入促進税制を創設すること。

(10)ベンチャーキャピタルが創業後一定期間内の企業に対して行う出資額の一定割合について所得控除を認めるなどの措置を講ずること。

(11)創業中小企業投資損失準備金制度の適用期限を延長すること。

(12)事業用資産の買い換え特例の繰延べ割合(現行80%)の100%への引き上げを図る等、土地の有効利用を促進するための措置を講ずること。

(13)企業の事業組織選択に対する税制の中立性を確保し、戦略的な事業組織の再構築を円滑化するため、一定の企業グループを課税単位とする連結納税制度を平成14年4月に確実に導入すること。
 その際には、連結納税制度の導入の意義は産業の活性化であることに鑑み、会社規模の大小を問わず使い勝手のよい制度とすること。

(14)金庫株制度が導入されたことに伴い、金庫株を処分する場合(売却処分、代用自己株、ストックオプション)は、資本等取引として非課税の扱いとすること。

(15)今後、私的年金の役割が増大していく状況に鑑み、現在、時限措置として適用が停止(平成15年3月31日まで)されている企業年金に係る特別法人税を廃止すること。

(16)現下の厳しい経済情勢により企業収益が悪化していることに鑑み、段階的に繰入率が引き下げられている退職給与引当金について、当面の間、繰入率のさらなる引き下げを見合わせる等、柔軟な対応を図ること。

(17)「産業活力再生特別措置法」に係る事業革新設備の特別償却制度について、対象となる事業革新設備の範囲を拡大すること。

(18)非居住者及び外国法人に対する民間国外債の利子等の非課税措置の適用期限を延長すること。

(19)2005年日本国際博覧会(愛知万博)の成功のためには、民間企業等による出展参加を支援することが必要であることから、愛知万博に出展する民間企業等が積み立てる出展のための準備金について、損金算入する制度を創設すること。

(20)「阪神・淡路大震災の被災者等に係る国税関係法律の臨時特例に関する法律」に関する被災代替資産等の特別償却、特定の資産買換えの場合の課税(譲渡所得)の特例措置について、適用期限を延長すること。

(21)「中心市街地活性化法」に規定する認定特定事業者等が認定特定事業計画等に基づき取得した施設等の特別償却制度の適用期限を延長すること。

(22)エネルギー需給構造改革投資促進税制について、対象設備の見直しを行いつつ、適用期限を延長すること。

(23)オゾン層保護及び地球温暖化対策に係る脱特定物質対応型設備の特別償却制度の適用期限を延長すること。

(24)公害防止用設備の特別償却制度の適用期限を延長すること。

(25)再生資源分別回収設備の特別償却制度の適用期限を延長すること。

(26)再商品化設備等の特別償却制度について、ペットボトルケミカルリサイクル設備を追加するとともに、適用期限を延長すること。

(27)製品輸入促進税制の適用期限を延長すること。

(28)「輸入の促進及び対内投資事業の円滑化に関する臨時措置法」に基づく特定集積地区において輸入関連事業者が取得する一定の事業用建物・機械設備に対する特別償却制度について、適用期限を延長すること。

(29)「輸入の促進及び対内投資事業の円滑化に関する臨時措置法」に基づく特定対内投資事業者に対する欠損金の繰越期間特例の適用期限を延長すること。

(30)「金融機関の不良債権の最終処理を進めるための債権放棄(私的整理)の指針(ガイドライン)」による再建計画に基づいて債権放棄を行った場合には、損金算入できることを明確にすること。また、同再建計画に基づいて債務免除を受けた場合には、法的整理の場合に準じ、青色欠損金控除(原則5年)前に生じた欠損金であっても、損金算入できることを明確にすること。

 

3.相続税・贈与税

(1)より円滑に事業を承継できるようにするため、事業用資産に対する相続税については、諸外国の例に見られるように、例えば、5年程度の事業継続を前提に、課税対象額の5割を控除するといった、新たな事業承継税制を確立すること。

(2)取引相場のない株式について、評価方法の改善を行う等、さらなる改善を図ること。

(3)取引相場のない株式の物納について、運用基準の緩和・明確化を図ること。

(4)相続税・贈与税の税率の引き下げおよび税率構造の見直しを行うこと。

 

4.登録免許税

(1)登録免許税の負担を手数料水準にまで引き下げること。

(2)登録免許税の引き下げができない場合には以下の措置を講ずること。

@ 「新事業創出促進法」第9条の規定により読み替えて適用される「産業活力再生特別措置法」の認定に係る登録免許税の軽減措置の適用期限を延長する。
A 「中心市街地活性化法」に規定する認定特定事業者等が認定特定事業計画等に基づき取得した施設等の所有権の移転登録に係る登録免許税の軽減税率の適用期限を延長する。
B 中小企業総合事業団からの集団化等のために融資を受けて事業協同組合等が取得した土地等を組合員等に再譲渡する場合における登録免許税の軽減措置(経過措置を含む)の適用期限を延長する。
C 事業協同組合等が環境事業団から譲渡を受けた土地等を組合員等に再譲渡する場合の登録免許税の軽減措置の適用期限を延長する。

 

5.印紙税

(1)非課税限度額を引き上げるとともに、税負担を軽減すること。

(2)約束手形コマーシャルペーパーに係る印紙税の特例措置の適用期限を延長すること。

 

6.自動車重量税

 解体による抹消登録をした自動車について、残存車検期間に相当する自動車重量税を還付する制度を創設すること。

 

U.地方税

1.個人住民税

(1)株式譲渡益の申告分離課税(税率6%)は、利子に係る税率よりも高く、リスクテイクの度合いに合致しないため、これを国税(所得税)と合わせて10%程度に引き下げる等、株式資本市場活性化への効果を期待できる改正を行うこと。

(2)公開前3年超保有した株式の譲渡益に係る譲渡所得の特例について、創業時から株式を所有していた場合は、株式公開前3年超の株式所有の要件を満たさなくてもよいこととすること。

(3)次期臨時国会に提出が予定されている商法改正案により、ストックオプションの付与対象等の規制が撤廃されることにともない、適格対象者(現行:自社の取締役または使用人)の拡大および年間権利行使総額の上限(現行:1,000万円)の引き上げを図ること。

(4)企業が自己株を取得する場合において、自己株の公開買付に応じる個人株主に対する、みなし配当課税の凍結措置の適用期限を延長すること。

(5)給与所得者が職業能力の開発・向上に資する自己啓発を行った場合の費用を特定支出控除の対象とすること。

 

2.法人事業税

(1)賃金等を課税標準とする外形標準課税は絶対導入しないこと。

(2)電気供給業及びガス供給業について、「その他の事業」と同一の扱いに改めること。

(3)沖縄電力株式会社に対する税率の軽減措置の適用期限を延長すること。

 

3.不動産取得税

(1)不動産取得税を廃止すること。

(2)不動産取得税を廃止できない場合には、以下の措置を講ずること。

@ 「民間事業者の能力の活用による特定施設の整備の促進に関する臨時措置法」に規定する特定施設に係る課税標準の特例措置の適用期限を延長する。
A 公益法人が中小企業総合事業団から資金の貸付けを受けて取得する地域産業創造基盤整備センターの事業の用に供する家屋に係る課税標準の特例措置の適用期限を延長する。

 

4.固定資産税

(1)過度に税負担が重くなっている固定資産税について、評価方法の改善や税率の引き下げ等による抜本的な税負担の軽減措置を講ずること。

(2)「民間事業者の能力の活用による特定施設の整備の促進に関する臨時措置法」に規定する特定施設に係る課税標準の特例措置の適用期限を延長すること。

(3)公益法人が中小企業総合事業団等から資金の貸付けを受けて取得する地域産業創造基盤整備センターの共同利用の用に供する機械及び装置に係る課税標準の特例措置の適用期限を延長すること。

(4)沖縄電力株式会社が電気供給業の用に供する償却資産に係る課税標準の特例措置の適用期限を延長すること。

(5)「火薬類取締法」、「高圧ガス保安法」、「ガス事業法」又は「液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する法律」に基づき許可等を受けた者が設置する土堤、防爆壁、障壁、貯槽室及び「石油コンビナート等災害防止法」に基づく特例事業者が設置する流出油防止堤に係る課税標準の特例措置の適用期限を延長すること。

(6)新エネルギー・産業技術総合開発機構が所有する業務用償却資産の課税標準の特例措置に「基盤技術研究円滑化法」に基づく基盤技術促進事業の用に供する償却資産を加えること。

(7)公害防止用設備に係る課税標準の特例措置の適用期限を延長すること。

(8)廃棄物再生処理用設備に係る課税標準の特例措置について、ペットボトルケミカルリサイクル設備を追加するとともに、適用期限を延長すること。

 

5.特別土地保有税

(1)特別土地保有税を廃止すること。

(2)特別土地保有税を廃止できない場合には、以下の措置を講ずること。

@ 「輸入の促進及び対内投資事業の円滑化に関する臨時措置法」に基づく特定集積地区において輸入関連事業者が整備する一定の施設の用に供する土地に係る非課税措置の適用期限を延長する。
A 「民間事業者の能力の活用による特定施設の整備の促進に関する臨時措置法」に規定する特定施設に係る非課税措置の適用期限を延長する。
B 「地方拠点都市地域の整備及び産業業務施設の再配置の促進に関する法律」に基づく業務拠点地区において産業業務施設の用に供する土地又は拠点地区において教養文化施設等の用に供する土地に係る非課税措置の同意及び適用期限を延長する。
C 「農村地域工業等導入促進法」に規定する農村地域工業等導入地区において新増設された工場用建物等の敷地の用に供する土地に係る非課税措置の適用期限を延長する。
D 「総合保養地域整備法」に規定する同意基本構想に基づく特定民間施設の用に供する土地に係る非課税措置の適用期限を延長する。
E 「大阪湾臨海地域開発整備法」に規定する開発地区において整備される一定の中核的施設の用に供する土地に係る非課税措置の適用期限を延長する。

 

6.事業所税

(1)事業所税については、二重課税並びに都市間の課税の公平上の問題があることから、廃止すること。

(2)事業所税を廃止することができない場合には、以下の措置を講ずること。

@ 「民間事業者の能力の活用による特定施設の整備の促進に関する臨時措置法」に規定する特定施設に対する新増設に係る非課税措置及び資産割に係る課税標準の特例措置の適用期限を延長する。
A 「地方拠点都市地域の整備及び産業業務施設の再配置の促進に関する法律」に規定する拠点地区における教養文化施設等に対する新増設に係る非課税措置及び資産割に係る課税標準の特例措置の適用期限を延長する。
B 「総合保養地域整備法」に規定する同意基本構想に基づく特定民間施設に対する新増設に係る非課税措置及び資産割に係る課税標準の特例措置の適用期限を延長する。
C 「大阪湾臨海地域開発整備法」に規定する開発地区において整備される一定の中核的施設に対する新増設に係る非課税措置及び資産割に係る課税標準の特例措置の適用期限を延長する。
D 中小企業者が環境事業団から集団化のため譲渡を受けた建物に対する資産割に係る非課税措置の適用期限を延長する。
E 「中小企業流通業務効率化促進法」に規定する認定組合が実施する流通業務効率化事業の用に供する施設に対する新増設に係る非課税措置の適用期限を延長する。
F 「中小小売商業振興法」に規定する商店街整備等支援計画に基づき設置される公衆の利便を図るための施設に対する新増設に係る非課税措置の適用期限を延長する。
G 自動車部品再利用製品製造業者が実施する事業の用に供する施設に対する新増設に係る課税標準の特例措置を創設する。

 

7.自動車取得税

(1)一定の低燃費基準を満たす自動車に係る課税標準の特例措置の適用期限を延長すること。

(2)最新排出ガス規制適合車の取得に係る特例措置の適用対象に平成15年規制適合車を追加すること。

(3)「自動車から排出される窒素酸化物及び粒子状物質の特定地域における総量の削減等に関する特別措置法」に係る排出基準非適合車を代替した場合の特例措置の適用対象にディーゼル乗用車を追加すること。

 

V.その他

1.納税者番号制度の導入

 経済活動のボーダレス化、金融資本取引の多様化、電子商取引の拡大等の情報化・電子化の進展に伴い、課税の公平性・公正性を確保するため、納税者番号制度導入に向けて取り組むべきである。その際には導入コストの抑制を念頭におくとともに、情報漏洩防止に万全を図り、目的を逸脱した使用には厳罰を科すなどの配慮を図る必要がある。


2.公益法人課税強化に反対

 公益法人課税の見直しは、個々の公益法人の活動実態を十分踏まえて実施する必要があり、商工会議所のような特に公益性の高い法人は、その存在意義や役割がむしろ地方自治体や公共法人と同等であるといえるので、現行以上の課税強化は行うべきでない。


3.環境問題への対応

 地球温暖化をはじめ、環境問題への関心が高まってきており、これに対する総合的な取組みの一環として、税制面からの対応を行うことが求められているが、その際には、産業競争力やマクロ経済全体に与える影響をはじめ、COP等に関する国際的動向、エネルギー・環境政策上の必要性、二酸化炭素排出抑制等のエネルギー・環境政策としての効果等を十分に検証しつつ、慎重に検討するべきである。


4.沖縄振興のための税制措置

 沖縄振興新法に基づく各種税制措置を講ずるべきである。


5.延滞税の軽減等

 現在の延滞税の税率(原則として年14.6%)は、現在の低金利下では、金融機関からの借入金利息との格差が極めて大きく、制裁的遅延損害金としての性格が強調され過ぎている。特に、前払い的な性格を有する予定納税についてまでも延滞税を課すことは、納税行政に対する信頼性を著しく損なうものとなっている。このため、延滞税の税率を7%程度に引き下げるとともに、予定納税時期の納税が遅れた場合の延滞税の課税を廃止すべきである。


以 上


ホームページ