「外形標準課税の導入に反対する」


平 成 12 年 11 月 16 日
日 本 商 工 会 議 所
全 国 商 工 会 連 合 会
全国中小企業団体中央会
全国商店街振興組合連合会


 現在、法人事業税の外形標準課税の導入という議論がある。
 地方税の外形標準課税は、アメリカ、ドイツ、フランスで最近次々に廃止が決定されている、反経済的で不公平な税である。

 我々は、経済や雇用に重大な悪影響を与えるものであると考え、かねてから外形標準課税の導入には強く反対してきた。
 今後の日本経済に、人件費課税、生産要素課税が相応しいとは考えられず、これを導入しようとする発想は全く理解できない。政府税調や全国知事会が押し進めようとしている外形標準課税に対しては、税理士会や法人会も我々と同じ考えである。

 外形標準課税の導入に当たり、中小企業に配慮すればよいのではないか、という議論もある。しかし、総じて国民負担が増えると予想される中で、いずれ大企業並みに適用となるのは自明である。また、大企業への外形標準課税の導入は下請へのしわ寄せになることは明らかである。したがって、外形標準課税の導入には断固反対である。

 一方、高齢化社会における社会保障財源の必要性や、巨額の財政赤字を抱える国・地方の現況に鑑みれば、財政の構造改革はいずれは避けて通れない課題である。既に基礎年金の国庫負担割合の引き上げが2004年までに見越されている等、近い将来には、何らかの形での国民負担の増大を誰もが予期せざるを得ない状況にある。

 新たな国民負担を求めるには、景気の回復と、徹底した国・地方の行財政改革が大前提である。

 その上で講じる税制改革とは、公平・公正な負担となり、かつ、国と地方の財政健全化が実現できるものでなければならない。それは、直間比率の見直しとその一部としての地方消費税の拡充などの国・地方を通じた抜本的な税制改革である。

 地方税当局は外形標準課税で、将来、国税当局は消費税でと、何の繋がりもなく、徴税側の論理だけで負担を求めようというのでは、我々はこれを受け入れることはできない。

 昭和61年の政府税調答申においては、外形標準課税について、「現行の事業税に加えて、新しいタイプの間接税の導入に当たり、その一部を地方の間接税とすれば、道府県税全体としてみてこの問題の現実的な解決になると考える」と明記されている。これがまさに地方消費税である。
 今回の政府税調の答申においても、外形標準課税の案である事業活動価値については、消費型付加価値を実質的な課税ベースとする消費税・地方消費税が既に存在していることについて慎重な検討が必要であると指摘されている。
 国・地方を通じて総合的に我が国の財政を考え、国民がその負担を納得できる税制改革の実現を強く望む。その環境整備のためには我々も責任を持って取り組む考えである。

 我々はこれまで再三にわたり真剣な要望と建設的な提言を行ってきたつもりである。それにもかかわらず、我々の意見が無視され、外形標準課税の導入が決定されるような事態になれば、今後の国・地方を通じた抜本的な税制改革には協力できない。

 我々の考えるところを十分お受けとめの上、景気が回復する道のりの中で、今後2〜3年の視野で税制改革のあるべき姿を考えていただくことを望みたい。

以 上


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