平成13年度税制改正に関する要望

平成12年9月20日
日本商工会議所

  わが国経済は一連の経済対策の効果により、平成11年度の実質経済成長率が3年ぶりにプラスに転じ、また、本年4−6月期のGDP成長率もプラスを示すなど、景気動向に明るさが出てきているものの、個人消費の低迷や失業率の高止まりなど、その足取りは不安定なものとなっており、未だ景気回復を実感するには至っていない。こうした中で、企業はその活力の再生はもとより、21世紀を目前に控え、経済のグローバル化やIT革命の進展等による経済社会の変化への対応に懸命の努力を続けているところである。
  税制は、国の活力を増大もさせ、沈滞もさせてしまう大きな影響力を有するものであることから、短期的には産業活力を維持・増進させ、わが国経済を自律的回復軌道に乗せるための税制措置に万全を期すことが重要であり、また、中長期的にはわが国が持続的な経済成長を遂げるために税制面での経済社会環境の整備が必要である。かかる観点から、平成13年度税制改正にあたっては、以下の事項の実現が図られるよう強く要望する。
  なお、国や地方の財政問題については、景気回復が確実となった段階で、税収の自然増や、行財政改革の徹底を踏まえたうえで、わが国税制の中長期的課題である直間比率の見直しをはじめとする国・地方を通じた税体系の抜本的改革を行うなど、税財政全般の見直しにより解決すべきである。その際には、税負担のみならず、社会保障を含めた公的負担全体のあり方について十分な議論が必要である。


重点要望項目

1.法人事業税への外形標準課税導入には絶対反対
 法人事業税への主に賃金等を課税標準とする外形標準課税の導入は、企業の雇用や投資に抑制的に作用し、経済活力を大きく削ぐとともに、赤字法人や収益性の低い中小企業への課税強化となるほか、ベンチャー企業等新規創業支援に逆行する。さらに、法人住民税(均等割)や固定資産税等、既存の税との関係が不明確であるほか、納税者の信頼に足る課税標準が確保されないおそれがあるとともに、結果として、企業間で税負担の不公平が生じかねないなど、極めて問題が多く、諸外国でも廃止の方向にあるものであることから、その導入には絶対反対である。
 特に、賃金への課税は、企業の雇用創出・維持の大きな足枷となるだけでなく、現在の「正規雇用」が請負契約や業務委託契約等にシフトすることによって雇用形態を歪めるおそれが強い。
 また、地方自治体の財政安定化が外形標準課税導入の理由の一つにあげられているが、まずは納税者が納得できる行財政改革を徹底的に行うことが前提であり、安易な税制の見直しによる税収確保を求めるべきではない。

2.事業承継税制の拡充(詳細は「平成13年度事業承継円滑化のための税制改正に関する要望」を参照)
 事業承継税制については、累次の税制改正により改善がなされているが、中小企業の活力増進のため、相続税・贈与税の最高税率の引き下げや税率構造の見直しを行うとともに、贈与税の基礎控除を大幅に引き上げるなど、さらなる改善を図るべきである。また、より円滑に事業を承継できるようにするための新たな事業承継税制を確立すべきである。

3.中小法人税制の拡充
(1)留保金課税の廃止
 平成12年度税制改正において、創業10年以内の中小同族会社等に対して、平成13年度末までの間、留保金課税の適用が停止されているが、外部資金の調達が容易でない中小企業の内部留保を拡充し、経営基盤の強化を図るため、中小同族会社の留保金課税制度を廃止すべきである。
(2)中小企業軽減税率の適用所得金額の引き上げ
 中小企業の体質強化と活力増進を図るため、法人税の中小企業軽減税率について、適用所得金額(現行:800万円)を引き上げるべきである。
(3)欠損金の繰越期間の延長
 既存中小企業の経営改善のため、欧米先進国に比べて短い欠損金繰越期間(現行:原則5年)を延長すべきである。
(4)中小企業の設備投資促進等のための税制の拡充
 中小企業のIT革命への対応や設備投資を促進するため、特定情報通信機器の即時償却制度、中小企業投資促進税制、中小企業技術基盤強化税制の延長・拡充を行うべきである。また、少額減価償却資産の取得価額基準(現行:10万円)の引き上げや減価償却資産の区分の簡素化とともに、電子機器等の耐用年数を短縮するなどの見直しを図るべきである。
(5)ベンチャー・創業支援のための税制措置
 ベンチャー・新規創業支援の観点から、ベンチャー企業への投資家の投資ロスと他の所得との損益通算を認めるほか、ベンチャーキャピタルが創業後一定期間内の企業に対して行う出資額の一定割合について所得控除を認めるなどの措置を講ずるべきである。また、ストックオプション制度についても拡充すべきである。

4.企業組織再編に係る税制措置の創設と連結納税制度の導入
(1)企業組織再編に係る税制措置の創設
 企業の機動的な組織再編を可能とする会社分割制度を導入する改正商法が本年5月に成立したが、法制面の措置に対応した会社分割税制を創設するとともに、合併・現物出資など既存の組織再編税制全体を見直すべきである。
(2)連結納税制度の導入
 連結納税制度について、中小企業にも制度導入のメリットが十分享受されるように配慮しつつ、その早期導入を図るべきである。また、連結納税制度導入に伴って税収減が生じる場合、その補填のために中小企業に課税強化が行われることがあってはならない。

5.土地・住宅税制の改善
(1)土地の譲渡益課税等の見直し
 不動産の有効利用と流動化の観点から、法人の土地譲渡益課税重課制度を廃止するとともに、個人の長期保有土地の譲渡益課税の見直しを図るべきである。また、流通税のさらなる軽減(不動産取得税の廃止、登録免許税の手数料水準までの引き下げ)を講ずるべきである。
(2)住宅ローン控除制度等住宅取得に係る税制措置の拡充
 国民の住宅取得支援のため、また、少なくともわが国経済が本格的回復軌道に乗るまでの政策効果による下支えのため、住宅ローン控除制度の期限後においても、現行制度に匹敵する内容・規模の住宅取得促進税制を導入するべきである。また、住宅取得資金に係る贈与税の特例、居住用財産の買換特例や譲渡損失の繰越控除を拡充・継続するべきである。

6.企業年金制度関連税制の整備
 今後、私的年金の役割が増大していく状況に鑑み、現在2年間の時限措置として適用が停止されている企業年金に係る特別法人税を廃止すべきである。
 また、企業間の雇用の円滑な流動化を図るとともに、中小企業等の福利厚生制度の拡充に資するよう、中小企業や個人事業主も加入しやすい確定拠出年金制度を早急に創設すべきである。その際には、企業や個人からの拠出や運用・積立段階は非課税とし、課税は給付時に一本化すべきである。
 さらに、確定拠出型年金制度も含め各種企業年金制度相互間の円滑な移行を認め、退職給与引当金や既存の企業年金積立金を他の企業年金や特定退職金共済制度へ全額非課税で移管できるようにするとともに、厚生年金基金代行部分の国への返上と返上後の基金の運営・運用上の税制優遇措置を継続することを認める必要がある。

7.有価証券譲渡益課税
 株式市場は未だ不安定な状況にあり、源泉分離課税の廃止が個人投資家の市場離れにつながることが懸念されている。わが国経済の本格的な回復のためには、株式市場の活性化が不可欠であり、当面の間、源泉分離課税の適用を延長することとし、金融税制全般の整合性を踏まえ、申告分離課税のあり方を検討すべきである。

8.納税者番号制度の導入
 経済活動のボーダレス化、金融資本取引の多様化、電子商取引の拡大等の情報化・電子化の進展に伴い、課税の公平性・公正性を確保するため、納税者番号制度導入に向け、取組むべきである。その際には導入コストの抑制を念頭におくとともに、情報漏洩防止に万全を図り、目的を逸脱した使用には厳罰を科すなどの配慮をすべきである。

9.公益法人課税強化に反対
 公益法人課税の見直しは、個々の公益法人の活動実態を十分踏まえて実施する必要があり、商工会議所のような特に公益性の高い法人は、その存在意義や役割がむしろ地方自治体や公共法人と同等であるといえるので、現行以上の課税強化は行うべきでない。


要望項目

T.国 税

1.所得税

(1)ベンチャー企業への投資家の投資ロスと他の所得との損益通算を認めるほか、ベンチャーキャピタルが創業後一定期間内の企業に対して行う出資額の一定割合について所得控除を認めるなどの措置を講ずること。

(2)ストックオプション制度について、権利行使額(現行:年1,000万円)を引き上げるとともに、産業活力再生特別措置法で認められた、子会社の取締役・従業員に対する付与を一般的な制度とし、税制上の措置を講ずること。

(3)特定情報通信機器の即時償却制度の適用期限を延長するとともに、リースの場合についても税額控除の対象とするなどの拡充を図ること。

(4)中小企業投資促進税制、中小企業技術基盤強化税制の延長・拡充を行うこと。

(5)少額減価償却資産の取得価額基準(現行:10万円)の引き上げや減価償却資産の区分の簡素化とともに、電子機器の耐用年数を短縮するなどの見直しを図ること。

(6)個人の長期保有土地の譲渡益課税の見直しを図ること。

(7)住宅ローン控除制度の期限後においても、現行制度に匹敵する内容・規模の住宅取得促進税制を導入するほか、居住用財産の買換特例や譲渡損失の繰越控除を拡充・継続すること。

(8)有価証券譲渡益課税について、源泉分離課税の適用を延長し、他の金融商品との整合性をも踏まえ、申告分離課税のあり方を検討すること。

(9)有価証券譲渡益課税の申告分離課税において、相続税納付後の相続株式の譲渡益を計算する際の取得原価は、被相続人が取得した価額ではなく、相続時の評価額とすること。

(10)青色申告特別控除制度について、青色申告者の勤労所得性を配慮した制度を確立すること。

(11)給与所得者が職業能力の開発・向上に資する自己啓発を行った場合の費用を特定支出控除の対象とすること。

(12)公開前3年超保有した株式の譲渡益に係る譲渡所得の特例について、創業時から株式を所有していた場合は、株式公開前3年超の株式所有の用件を満たさなくてもよいこととする等の措置を講ずること。

(13)産業活力再生特別措置法に係る税制措置について、以下の措置を講ずること。

@ 特定の資産の買換えの場合の課税の特例措置の適用期限を延長する。
A 事業革新設備の特別償却制度について、事業革新設備の見直しを行うとともに、適用期限を延長する。

(14)中小企業者の機械等の特別償却制度の適用期限を延長すること。

(15)中小企業等の基盤強化税制の適用対象を拡充するとともに、適用期限を延長すること。

(16)「中小企業創造的事業活動促進法」に基づいて事業化設備等を取得した場合の特別償却制度及び税額控除制度の適用期限を延長すること。

(17)「中小企業経営改革支援法」、「中小企業創造的事業活動促進法」及び「特定産業集積の活性化に関する臨時措置法」に基づいて試験研究費の額が増加した場合等の税額控除制度について、適用期限を延長すること。

(18)「中小企業経営改革支援法」、「中小企業創造的事業活動促進法」及び「特定産業集積の活性化に関する臨時措置法」に基づいて鉱工業技術研究組合等に対する支出金の特別償却制度の適用期限を延長すること。

(19)「中小企業経営革新支援法」に規定する経営基盤強化計画を実施する特定組合等の構成員の機械等の割増償却制度の適用期限を延長すること。

(20)「中小小売商業振興法」に基づいて整備される商業施設等の特別償却制度の適用期限を延長すること。

(21)プログラム等準備金制度(汎用プログラム開発準備金、ソフトウェア高度化基盤整備準備金、統合システム保守準備金、データベース準備金)の適用期限を延長すること。

(22)公害防止用設備の特別償却制度について、適用対象にPCB廃棄物処理装置を追加するとともに、適用期限を延長すること。

(23)特定の資産の買換えの場合等の所得税の特例措置の適用期限を延長すること。

(24)優良住宅の造成等のために土地等を譲渡した場合の長期譲渡所得の課税の特例措置の適用期限を延長すること。

(25)技術等海外取引に係る所得の特別控除制度の適用期限を延長すること。 と。

 

2.法人税

(1)中小企業の内部留保を拡充し、経営基盤の強化を図るため、中小同族会社の留保金課税制度を廃止すること。

(2)中小企業の体質強化と活力増進を図るため、中小企業軽減税率について、適用所得金額(現行:800万円)を引き上げること。

(3)既存中小企業の経営改善のため、欧米先進国と比べて短い欠損金繰越期間(現行:原則5年)を延長すること。

(4)特定情報通信機器の即時償却制度の適用期限を延長するとともに、リースの場合についても税額控除の対象とするなどの拡充を図ること。

(5)中小企業投資促進税制、中小企業技術基盤強化税制の延長・拡充を行うこと。

(6)少額減価償却資産の取得価額基準(現行:10万円)の引き上げや減価償却資産の区分の簡素化とともに、電子機器の耐用年数を短縮するなどの見直しを図ること。

(7)商法における会社分割制度の導入に合わせ、新設・吸収会社への資産移転に係る譲渡益課税の繰延べなど、所要の税制措置を講ずること。

(8)連結納税制度について、中小企業にも制度導入のメリットが十分享受されるように配慮しつつ、その早期導入を図ること。

(9)法人の土地譲渡益課税重課制度を廃止すること。廃止できない場合は、土地等を譲渡した場合の譲渡益に対する課税の特例措置(環境事業団関連)の適用期限を延長すること。

(10)企業の株式発行・譲渡による資本調達力を強化するため、個人段階における配当二重課税を是正すること。また、法人における受取配当益金不算入割合を100%に引き上げること。

(11)交際費については、企業会計原則に則り全額損金算入を認めること。

(12)産業活力再生特別措置法に係る税制措置について、以下の措置を講ずること。

@ 共同で現物出資をした場合の課税の特例措置の適用期限を延長する。
A 特定の資産の買換えの場合の課税の特例措置の適用期限を延長する。
B 事業革新設備の特別償却制度について、事業革新設備の見直しを行うとともに、適用期限を延長する。
C 欠損金の繰越期間の特例措置の適用期限を延長する。
D 欠損金の繰戻還付の不適用の除外措置の適用期限を延長する。

(13)新事業創出促進法に係る税制措置について以下の措置を講ずること。

@ 新事業創出促進法第9条の規定により読み替えて適用される産業活力再生特別措置法の認定に係る共同で現物出資した場合の課税の特例措置の適用期限を延長する。
A 特定高度技術産業集積地域における高度技術産業用設備の特別償却制度の適用期限を延長する。

(14)中小企業者の機械等の特別償却制度の適用期限を延長すること。

(15)中小企業等の基盤強化税制の適用対象を拡充するとともに、適用期限を延長すること。

(16)「中小企業創造的事業活動促進法」に基づいて事業化設備等を取得した場合の特別償却制度及び税額控除制度の適用期限を延長すること。

(17)「中小企業創造的事業活動促進法」に規定する研究開発計画の認定を受けた中小企業者等の欠損金の繰延期間の特例措置の適用期限を延長すること。

(18)「中小企業経営革新支援法」に規定する経営基盤強化計画を実施する特定組合等の構成員の機械等の割増償却制度の適用期限を延長すること。

(19)「中小企業流通業務効率化促進法」及び「中小小売商業振興法」に基づいて整備される商業施設等の特別償却制度の適用期限を延長すること。

(20)「中小企業経営改革支援法」、「中小企業創造的事業活動促進法」及び「特定産業集積の活性化に関する臨時措置法」に基づいて試験研究費の額が増加した場合等の税額控除制度について、適用期限を延長すること。

(21)「中小企業経営改革支援法」、「中小企業創造的事業活動促進法」及び「特定産業集積の活性化に関する臨時措置法」に基づいて鉱工業技術研究組合等に対する支出金の特別償却制度及び当該組合等の賦課金による試験研究用固定資産の取得に係る所得計算の特例制度(圧縮記帳)の適用期限を延長すること。

(22)プログラム等準備金制度(汎用プログラム開発準備金、ソフトウェア高度化基盤整備準備金、統合システム保守準備金、データベース準備金)の適用期限を延長すること。

(23)電子計算機買戻損失準備金制度について、特定電子計算機貸付会社に係る要件を削除するとともに、適用期限を延長すること。

(24)公害防止用設備の特別償却制度について、適用対象にPCB廃棄物処理装置を追加するとともに、適用期限を延長すること。

(25)脱特定物質対応型設備の特別償却制度について、適用対象に脱特定物質回収・破壊装置を追加する等対象設備の見直しを行うとともに、適用期限を延長すること。

(26)特定の資産の買換えの場合等の法人課税の特例措置の適用期限を延長すること。

(27)技術等海外取引に係る所得の特別控除制度の適用期限を延長すること。

(28)計画造林準備金制度の適用期限を延長すること。

(29)植林費の損金算入の特例措置について、損金算入率を拡充するとともに、適用期限を延長すること。

(30)公益法人・協同組合等の貸倒引当金の特例措置の適用期限を延長すること。

(31)事業協同組合等の留保所得の特別控除制度の適用期限を延長すること。

(32)火災共済協同組合等の異常危険準備金の特例措置の適用期限を延長すること。

(33)「総合保養地域整備法」に規定する特定余暇利用施設の特別償却制度の適用期限を延長すること。

(34)「多極分散型国土形成促進法」に規定する振興拠点地域又は業務核都市に設置される中核的民間施設の特別償却制度の適用期限を延長すること。

 

3.相続税・贈与税

(1)相続税・贈与税の最高税率の引き下げと税率構造の見直しを図るとともに、贈与税の基礎控除を大幅に引き上げること。

(2)住宅取得資金に係る贈与税の特例を拡充・継続すること。

 

4.登録免許税

(1)登録免許税の負担を手数料水準にまで引き下げること。

(2)登録免許税の引き下げができない場合には以下の措置を講ずること。

@ 商法における会社分割制度の導入に合わせ、新設会社設立等に伴う登録免許税の減免の措置を講ずる。
A 産業活力再生特別措置法に係る税制措置について、登録免許税の軽減措置の適用期限を延長する。
B 新事業創出促進法に係る税制措置について、認定中核的支援機関が基本構想に基づく新事業支援機関から不動産を取得した場合の所有権移転登記に係る登録免許税の軽減措置の適用期限を延長する。
C 商工組合中央金庫及び信用保証協会の抵当権設定登記等の登録免許税の軽減措置の適用期限を延長すること。

 

5.印紙税

 非課税限度額を引き上げるとともに、税負担を軽減すること。

 

6.自動車重量税

 解体による抹消登録をした自動車について、残存車検期間に相当する自動車重量税を還付する制度を創設すること。

 

U.地方税

1.住民税

(1)公開前3年超保有した株式の譲渡益に係る譲渡所得の特例について、創業時から株式を所有していた場合は、株式公開前3年超の株式所有の要件を満たさなくても良いこととする等の措置を講ずること。

(2)中小企業者等の試験研究費に係る特例措置の適用期限を延長すること。

(3)土地の譲渡益重課税制度を廃止すること。

 

2.事業税

(1)賃金等を課税標準とする外形標準課税は絶対導入しないこと。

(2)電気供給業及びガス供給業について、「その他の事業」と同一の扱いに改めること。

 

3.固定資産税

(1)過度に税負担が重くなっている固定資産税について、評価方法の改善や税率の引き下げ等による抜本的な税負担の軽減措置を講ずること。

(2)低公害車用燃料等供給設備に係る課税標準の特例措置の適用期限を延長すること。

(3)脱特定物質対応型設備に係る課税標準の特例措置の適用期限を延長すること。

(4)地域エネルギー利用設備に係る課税標準の特例措置の適用期限を延長すること。

(5)電線類の地中化設備に係る課税標準の特例措置の適用期限を延長すること。

(6)公害防止用設備に係る課税標準の特例措置における産業廃棄物処理施設の適用対象にPCB汚染物又はPCB処理物の分離装置を追加すること。

 

4.不動産取得税

(1)不動産取得税を廃止すること。

(2)不動産取得税を廃止できない場合には、以下の措置を講ずること。

@ 商法における会社分割制度の導入に合わせ、新設会社設立等に伴う不動産取得税の減免の措置を講ずる。
A 産業活力再生特別措置法に規定される認定事業再構築計画に従って認定事業者から営業譲渡を受けた者が、当該譲渡に伴い取得する不動産に係る税額の減額措置の適用期限を延長する。
B 新事業創出促進法第9条に規定される認定事業再構築計画に従って行われる特定会社の創業等に伴い、新設会社が特定会社から取得する不動産に係る課税標準の特例措置の適用期限を延長する。

 

5.特別土地保有税

(1)特別土地保有税を廃止すること。

(2)特別土地保有税を廃止できない場合には、以下の措置を講ずること。

@ 「中小小売商業振興法」に規定する商店街整備等支援計画に基づき特定会社又は公益法人が設置する共同施設の用に供する土地に係る非課税措置の適用期限を延長する。
A 「商工会及び商工会議所による小規模事業者の支援に関する法律」に規定する商工会等が基盤施設計画に従って実施する基盤施設事業の用に供する土地に係る非課税措置の適用期限を延長する。
B 「新事業創出促進法」に基づく高度技術産業集積地域内における非課税措置の適用期限を延長する。
C 「多極分散型国土形成促進法」に規定する重点整備地区及び業務施設集積地区に設置される中核的民間施設の用に供する土地に係る非課税措置の適用期限を延長する。
D 低公害車用燃料等供給設備の用に供する土地に係る非課税措置の適用期限を延長する。
E 公害防止用設備に係る非課税措置における産業廃棄物処理施設の適用対象にPCB汚染物又はPCB処理物に分離装置を追加する。

 

6.事業所税

(1)事業所税については、二重課税並びに都市間の課税の公平上の問題があり、廃止すること。

(2)事業所税を廃止することができない場合には、以下の措置を講ずること。

@ 「特定産業集積の活性化に関する臨時措置法」の適用を受ける事業の用に供する施設に対する新増設に係る非課税措置の適用期限を延長する。
A 「中小小売商業振興法」に規定する高度化事業計画(商店街整備等支援計画を除く)に基づき設置する共同施設に対する新増設及び資産割に係る非課税措置の適用期限を延長する。
B 「中小企業創造的事業活動促進法」に規定する認定組合等が実施する技術開発及びその成果の事業化のための施設に対する資産割に係る課税標準の特例措置の適用期限を延長する。
C 「伝統的工芸品産業の振興に関する法律」に規定する製造協同組合等が設置する伝統工芸品産業用共同施設に対する資産割に係る非課税措置の適用期限を延長する。
D 「総合保養地域整備法」に規定する特定民間施設に対する新増設に係る非課税措置及び資産割に係る課税標準の特例措置の適用期限を延長する。
E 「多極分散型国土形成促進法」に規定する重点整備地区及び業務施設集積地区に設置される中核的民間施設に対する新増設に係る非課税措置及び資産割に係る課税標準の特例措置の適用期限を延長する。
F 公害防止用設備に係る課税標準の特例措置における産業廃棄物処理施設の適用対象にPCB汚染物又はPCB処理物の分離装置を追加する。

 

7.自動車税・軽自動車税

  自動車の環境配慮化を促進する観点から、所要の税制措置を講ずること。

 

8.自動車取得税

(1)低公害車(電気、天然ガス、メタノール及びハイブリッド自動車)に係る特例措置について、対象を追加した上で、適用期限を延長すること。

(2)「エネルギ−の使用の合理化に関する法律」に基づく一定の基準を満たす低燃費車に係る特例措置について、所要の見直しを行った上で、適用期限を延長すること。

(3)総合的な自動車NOx・PM対策を推進する観点から、所要の税制措置を講ずること。

(4)最新排出ガス規制適合車の取得に係る特例措置の適用対象に平成14年規制適合車を追加すること。

 

V.その他

1.企業年金制度関連税制の整備

 今後、私的年金の役割が増大していく状況に鑑み、現在2年間の時限措置として適用が停止されている企業年金に係る特別法人税を廃止すべきである。
 また、企業間の雇用の円滑な流動化を図るとともに、中小企業等の福利厚生制度の拡充に資するよう、中小企業や個人事業主も加入しやすい確定拠出年金制度を早急に創設すべきである。そのため、先の通常国会で審議未了・廃案となった確定拠出年金法案の早期再上程・成立・施行を図る必要がある。その際には、企業の拠出金については損金算入、個人の拠出金については大幅な所得控除を認め、企業や個人からの拠出や運用・積立段階は非課税とし、課税は給付時に一本化すべきである。
 さらに、確定拠出型年金制度も含め各種企業年金制度相互間の円滑な移行を認め、退職給与引当金や既存の企業年金積立金を他の企業年金や特定退職金共済制度へ全額非課税で移管できるようにするとともに、本来公的年金の一部である厚生年金基金の代行部分の国への返上の選択を認め、返上後の掛金の拠出・運用や基金自体の運営上の現行の税制上の優遇措置を継続する必要がある。


2.納税者番号制度

 経済活動のボーダレス化、金融資本取引の多様化、電子商取引の拡大等の情報化・電子化の進展に伴い、課税の公平性・公正性を確保するため、納税者番号制度導入に向け、取組むべきである。その際には導入コストの抑制を念頭におくとともに、情報漏洩防止に万全を図り、目的を逸脱した使用には厳罰を科すなどの配慮をすべきである。


3.NPO税制の確立

 わが国社会の成熟化に伴い、福祉、環境、国際協力、街づくりなど様々な分野において、ボランティア活動をはじめとした民間の非営利団体の社会貢献活動が活発化し、その重要性が高まっている。こうしたNPO活動の重要性から、法人格の付与等の支援を与えるため、NPO法(特定非営利活動促進法)が制定されたところであるが、NPO法人の脆弱な財政基盤の強化の観点から、例えば、NPO法人に支出する寄附金に対する特例措置等所要の税制措置を講じることが必要である。ただし、NPO法人が租税回避のために用いられる可能性が指摘されていることから、何らかの公益性確保の措置を講じることが必要である。


4.公益法人課税強化に反対

 公益法人課税の見直しは、個々の公益法人の活動実態を十分踏まえて実施する必要があり、商工会議所のような特に公益性の高い法人は、その存在意義や役割がむしろ地方自治体や公共法人と同等であるといえるので、現行以上の課税強化は行うべきでない。


5.環境問題への対応

 地球温暖化をはじめ、環境問題への関心が高まってきており、これに対する総合的な取組みの一環として、税制面からの対応を行うことが求められているが、その際には、産業競争力やマクロ経済全体に与える影響をはじめ、COP等に関する国際的動向、エネルギー・環境政策上の必要性、二酸化炭素排出抑制等のエネルギー・環境政策としての効果等を十分に検証しつつ、慎重に検討するべきである。


以 上


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