平成16年1月15日

 

短時間労働者への厚生年金保険の適用拡大に反対する

 

 

日本商工会議所

  頭 山 口 信 夫

全国商工会連合会

会 長 清 家  

全国中小企業団体中央会

会 長 石 川  

全国商店街振興組合連合会

理事長 桑 島 俊 彦

 

 

現在、政府において短時間労働者への厚生年金保険の適用拡大が検討されているが、短時間労働者への厚生年金保険の安易な適用拡大には断固反対する。

 

わが国企業は、長引く景気低迷で厳しい経営環境のもと必死に日々コスト削減努力を重ねており、ここに万一、短時間労働者への厚生年金保険の適用が拡大されれば、これに伴う保険料負担増は企業の活力を削ぎ、雇用コストの上昇を通じて企業収益を大きく圧迫し、厳しい国際競争の中にあるわが国企業の競争力低下を招くとともに、新規雇用にも著しく悪影響を及ぼすことが予想される。特に、パートの活用等によりぎりぎりの対応を強いられている中小企業にとっては死活問題である。また、新たに対象となる労働者の手取り収入の減少は消費の減退にも繋がり、景気回復に悪影響を与えかねない。

 

昨年、我々が中小企業を対象に実施した緊急調査では、大部分の中小企業が短時間労働者に厚生年金保険の適用が拡大された場合、労働時間・賃金調整など何らかの対応をとらざるを得ないと回答している。中小企業が必死に地域の雇用を支えている中で、短時間労働者への適用拡大による負担増を我慢しきれず、企業の時間調整や雇用者数の調整が進めば、短時間労働者の雇用機会自体が失われることも懸念される。

 

今回の公的年金制度改革は、国民の信頼の回復と経済・雇用との関係も含めた持続可能性が不可欠であるが、抜本改革もなく、年金不信による「国民年金の空洞化」に歯止めがかからない中で、単に支え手を増やすという観点から徴収コストに優れる厚生年金保険を安易に短時間労働者に適用を拡大することは大きな問題である。

 

政府は、次期通常国会に向けた年金改革法案の取りまとめを急いでいるが、年金制度改革のみを先行して決めるべきではなく、税・行財政・社会保障をパッケージとした総合的な検討を行い、具体的な改革案を国民に示し、国民各層の広範な議論を通じて十分なコンセンサスを得るべきである。

 

以 上

<関連する過去の日商提言>

 

「公的年金制度改革に関する提言」[2003.10.16]

 

 

 


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