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人々は「ゼロリスク」を本当に求めていたのか(会議所ニュース11/11号)

(会議所ニュース11/11号掲載記事)

 「人々はゼロリスクを求めている」。原発に関する議論の中でよく聞かれる言葉だが、実際はどうなのだろうか。今回はノルド社会環境研究所の堀越秀彦氏の執筆記事を紹介する。

 

人々は「ゼロリスク」を本当に求めていたのか

 ノルド社会環境研究所 調査研究部長 堀越 秀彦 氏

 

 ⇒全文は、http://eco.jcci.or.jp/wp-content/uploads/2012/11/cci-news1111a.pdfをご覧ください。

 

<要約>

本当に人々はゼロリスクを求めていたのだろうか。事故前(平成20年)に、関東の一部の人を対象に実施された意識調査(グラフ参照)によると、「100%の安全が確保できないのならば、使うべきではない」と答えた人は16・1%である。このように「人々がゼロリスクを求めている」という根拠は薄く、「人々がゼロリスクを求めているとして、リスクがあることを知らせることを避ける」というのは、当局の思い込みに基づく自主規制にすぎなかったと言えそうだ。直接届く声だけに反応して大局を見誤ってはいけない。

 

navi6816.JPGグラフ:原子力利用に対する考え方

 

そもそも、人々の意識がどうあろうとリスクの存在は大前提である。仮に、人々が本当にゼロリスクを求めていると認識していたならば、むしろリスクが存在することを伝える必要性が高いと判断されるべきだろう。いま、リスクがゼロでないことが誰しも認めることとなった状況は、リスクの存在を前提とした議論を深め、人々に知らせるよい機会でもある。新たな規制機関など原子力の安全確保に携わる方には、リスクに対峙する自らの仕事を、臆せずに社会に伝えて欲しい。また、「人々がゼロリスクを求めている」から「リスクがあることを知らせることを避ける」という考え方の背後には、人々はリスクを理解できないだろうという傲りと、人々への不信感の存在が感じられる。まずは人々を信じることから始めて欲しい。

 

 

(参考)

  ▽電力供給を支える現場力-関西電力海南発電所の苦闘-(会議所ニュース11/1号)

     http://eco.jcci.or.jp/news/news_front/6718.html

  ▽「今冬のエネルギー動向に関するアンケート調査」札幌商工会議所(会議所ニュース11/1号)

     http://eco.jcci.or.jp/news/6677.html

  ▽電機と電気―経営と生活(会議所ニュース10/21号)http://eco.jcci.or.jp/news/6597.html

▽基準値の意味を正しく知ろう(会議所ニュース10/11号)http://eco.jcci.or.jp/news/6509.html

  ▽「ドイツの電力事情~理想像か虚像か~」(会議所ニュース9/21号掲載記事)

     http://eco.jcci.or.jp/news/6417.html