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日商ニュース

平成19年「山口会頭年頭所感」

「健康な日本の創造」へ向け、大いなる飛躍の年に

日本商工会議所
会頭 山口信夫

平成19年の新春を迎え、謹んでお慶び申しあげます。

経済成長を見据えたしっかりとした政策運営を

 わが国経済は、全体としては堅調に回復し、成長率は低いながらも、期間は「いざなぎ景気」を超え、戦後最長となったことは大変喜ばしい限りであります。
 しかしながら、原油・素材価格の高止まり、米国経済の先行きや金利引上げへの懸念、加えて定率減税の廃止や年金・保険料の負担増による個人消費への影響など、先行きの不安材料も少なくありません。また、地域経済や中小企業においては、いまだ景気回復を実感できないところが多いというのが実状であります。
 一方、これからの日本の行く末を大きく左右する少子高齢化への対応や教育改革などの成果を出すまでに相当な時間を要する重要課題への早急な取り組みや、国民の将来への安心を確保する財政再建、信頼性の高い社会保障制度の構築など、課題は多く、まさにかつてない経済・社会の大きな転換期に直面していると言えます。
 こうした中、景気回復の波が普く伝播し、各地域が勇気と積極性をもって艱難を乗越え、本年が「健康な日本の創造」の大いなる飛躍のための布石の年となるよう志を新たにしているところでございます。
 政府・与党には「経済成長なくしてあらゆる改革の成功はない」および「地方の活性化なくして国の活力なし」との基本スタンスに立ち、わが国経済の持続的発展のため、特に地域再生や中小企業の活力強化に向けて、景気向上のための万全の政策運営を行っていただきたいと存じます。


地域の活性化はまちづくりと幹線道路網の早期整備で

 日本商工会議所といたしましては、豊かで、安全・安心な社会を構築していくためには、可能な限り高い経済成長の達成が必要不可欠であり、わが国の抱える諸課題の解決策としては、経済成長を基本に経済・財政の運営を図ることが何よりも重要であることは先に申しあげた通りであります。
 その上で、中期的かつ喫緊の課題である実効ある少子化対策と教育の抜本改革、行財政改革の断行と持続可能な社会保障制度の確立、そして東アジアを中心とした経済連携協定の推進について早期に取り組むことを提言し、その実現に努めてまいります。とりわけ、少子化対策については、官民を挙げて「子供を持ち、育てることが、家族にとっても国民全体にとっても、幸せや利益をもたらすものである」という価値観を醸成し、これを支える社会の制度や慣行を確立していくことが重要であると考えます。
 一方、地域経済の再生と中小企業の活性化への支援は、商工会議所の重要テーマであります。
 まちづくり三法は皆様のご支援とご協力により、改正がなされました。これからはその枠組みを活用して愛され、誇りを持てるような魅力あるまちとなるよう国、地方自治体、商店街、住民が一体となって、地域ぐるみで取り組むことが何より大事であります。
 また、地域にとって社会、経済、生活を支える基本的なインフラである道路については、昨年末に道路特定財源の見直しに関する閣議決定がなされ、商工会議所の要望してきた、「真に必要な道路整備は計画的に進める」ことが明示されました。地域間の競争条件は等しくすべきであり、地域に幹線道路を通し、主要道路を結節させていくことは国の重要な事業であります。真に必要な幹線道路の建設促進については、引き続き強く要望してまいりたいと存じます。


中小企業の活力強化なくして日本経済の発展なし

 さて、現在の景気は、主として大企業と中小企業の一部が牽引しておりますが、それを支え、日本経済の好調を維持しているのは、企業数の太宗を占める中小企業であります。中小企業がその活力を十分に発揮していかなければ日本経済の発展もありえません。政府には、中小企業が本来有しているダイナミズムとバイタリティーを存分に発揮できるよう、中小企業対策予算の大幅な拡充はもとより、包括的な事業承継税制の確立をはじめとする中小企業関連税制の是正・拡充を図るとともに、創業、経営革新、技術力強化、人材の確保・育成などの諸施策について万全の政策をしていただくよう、強く要望してまいります。しかし、要望するだけでなく、我々自らが自助・自立の精神で果敢に行動していくことが前提であることは言うまでもありません。
 商工会議所は、地域を代表する多様な会員から成り、様々な視点から高い提言力と柔軟な調整力をもつ地域総合経済団体であります。私は、全国520商工会議所、145万会員が一致団結して行動すれば、日本を動かす大きな原動力になることを実感しております。本年も希望に満ち活気あふれる「健康な日本の創造」に向け、全力で努力してまいりますので、皆様の一層のご支援とご協力を心からお願い申しあげ、年頭の挨拶とさせていただきます。