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日商ニュース

平成18年「山口会頭年頭所感」

「健康な日本」を実現するために

~特に地域経済・中小企業の実態を直視し万全の政策を~

日本商工会議所
会頭 山口信夫

 平成18年の新春を迎え、謹んでお慶び申しあげます。

「健康な日本」に向け正念場の年に
 わが国の景気は、全体として明るさが増しつつあり、ようやくデフレ脱却まで今一歩というところまできましたことは、大変喜ばしい限りです。しかしながら、原油価格の高騰や海外の経済動向、加えて、減税措置の縮小・廃止を中心とする増税や年金の負担増による消費への影響が懸念されるなど、依然として先行き不透明感は拭えません。また、長期にわたるデフレの影響等により、地域と中小企業には、まだ厳しい状況が続いています。
 一方、わが国は、人口減少・高齢化の加速、経済のグローバル化の進展と新興諸国の激しい追い上げなど、経済・社会の両面において、かつてない大きな構造変化に直面しております。
 こうした中、様々な困難や課題を乗り越え、本年は、それぞれの地域が元気になり希望に満ちた国=「健康な日本」をつくるための正念場の年であると決意を新たにしているところでございます。

安心できる国づくり、地域づくり
 日本商工会議所といたしましては、中長期的な喫緊課題のうち、まず財政再建については、徹底した歳出削減を大前提に国民や企業が納得できる方策を提言してまいります。また、わが国の将来を決定づける基本的かつ最大の問題である少子化への対応、国民にとって厳しいながらも安心できる社会保障制度改革、そして東アジアを中心とした海外との経済連携の推進などについても、積極的に政策提言を行い、その実現に努めてまいります。とりわけ、少子化対応については、解決までには極めて長い時間を要する問題だけに、一刻もはやく実効性の高い対策を講じる必要があると思っております。
 次に、私どもが抱えている短期的な重要課題の一つとして、まちづくり3法の抜本的な見直し作業がいよいよ大詰めの段階を迎えています。日商では、中心市街地・コミュニティーの衰退を地域社会問題として捉え、高齢者にも環境にも優しく歩いて暮らせる「コンパクトなまちづくり」の実現に向けて、政府・与党・関係省庁等へ精力的に働きかけてまいりました。
 その結果、都市計画法のゾーニングを強化するとともに広域調整の導入を基本とした我々の主張が、かなり理解される段階までまいりました。商店街としても自ら努力していくことは言うまでもありませんが、特に大事なことは、新たな法体系のもとに大型店と地域が共存・共栄し、住む人にも愛され誇りのもてるまちづくりを着実に進めていくことであります。その実現のために、今後とも皆様のご協力をいただきながら全力で取り組んでまいります。

特に中小企業のために万全の政策を
 さて、わが国経済は、その主たる推進役は大企業ですが、これを支えているのは中小企業であります。大企業と中小企業が巧みに織り成し、そして中小企業が本来もつ活力を存分に発揮できなければ、地域経済の再生も、日本経済の活性化もありえません。
 そのためには、特に地域経済・中小企業の実態を直視し、厳しい環境変化の荒波にもまれながらも必死に努力を重ねている中小企業を支援する、その対策予算や活力強化に資する税制改正など万全の政策を強く要望してまいります。なお、昨年末に政府の基本方針が示された政府系中小3金融機関の残し方については、金融の量的緩和の解除も視野に入る中、政策金融が担っている機能やサービスが後退することのない効果的な仕組みの構築がぜひとも必要であります。
 さらに日商の事業面では、各地商工会議所との共催による創業塾や第二創業コースをはじめ、産学官連携のさらなる推進、次代を担うビジネスリーダーの積極的な発掘、また、ものづくりや観光振興など、地域活性化に向けた活動等についても引き続き積極的に取り組んでまいります。

 以上、年頭にあたり所感の一端を申し述べました。わが国が、持続的な成長・発展を遂げることができるかどうか、大きな岐路にさしかかっています。私は、全国523商工会議所、150万会員の強固なネットワークをもとに一致団結して行動すれば、まさに地域総合経済団体として大変大きな力になることを実感しております。本年も皆様と力を合わせ、全力をあげて努力してまいりたいと存じますので、一層のご支援とご協力を心からお願い申しあげます。

以上