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政府系金融機関見直し問題に関するアンケート調査結果

◇◆「統廃合すれば機能薄まる」67%◆◇

 日本商工会議所はこのほど、全国の中小企業を対象に実施した「政府系金融機関見直し問題に関するアンケート調査」の集計結果を取りまとめ公表した。それによると、商工組合中央金庫、国民生活金融公庫、中小企業金融公庫のいわゆる「政府系中小3金融機関」について、統廃合によりそれぞれの機能が「失われる」「どちらかというと薄まる」と考える中小企業があわせて67.0%にのぼり、3機関に対しては引き続きそれぞれの専門性の堅持を望む結果となった。


■「専門性堅持」「民業補完・協調」求める声

 今回の調査は、政府の経済財政諮問会議などにおける審議がこれから本格的に始まることを踏まえ、各地の声を整理・集約したもの。調査期間は8月11日から9月9日。全国の商工会議所による中小企業へのヒアリングなどの方法で行われ、1,236件(うち3機関と取引のない230件を含む)の回答があった。

 まず、直接融資による3機関の機能については、「安定的な資金供給機能」を求める回答が53.6%と最も多く、不況時や金融引き締め時、民間金融機関の貸し渋りなどに際して、民間における融資姿勢の不安定さを補うために、将来にわたり安定した資金供給を求める姿がうかがえた。これに次いで「経営革新」(36.8%)、「再生」(30.4%)、「創業」(21.8%)に際して3機関の機能を求める回答が多く、企業の大きな転換期における3金融機関の金融支援にも強い期待が寄せられている。
 3機関に今後取り組んでほしい融資としては、「無担保融資」(58.0%)、「売掛債権担保融資や在庫担保融資などの資産をベースとした融資」(19.6%)など、不動産担保や保証に過度に依存することのない融資を期待する声が多かった。
 協調融資における資金調達窓口の組み合わせとしては、「民間のみでよい」とする回答(3.5%)に比べ、「民間と3機関との併存がよい」とする回答(54.5%)が圧倒的に多かった。

 また、3機関における直接融資以外の機能について、「コンサルティング、経営相談・支援」を求める回答が38.3%と最も多く、次いで「各種情報提供」(21.8%)、「産学官や他企業との連携支援」(19.4%)、「再生支援・経営改善計画策定支援」(18.8%)と続いている。その理由としては、「3機関に先駆的な取り組みをして欲しいから」(26.0%)、「3機関の取り組みが民間金融機関の”呼び水”となるから」(23.8%)、「3機関が取り組んでくれることで信用力が増すから」(23.0%)などがあげられた。

 民間金融機関と比較した3機関の機能では、「取引姿勢が安定」「必要なときに資金が借りられる」「担保・保証人の要求が柔軟」「固定金利」「対応が迅速」といった特色をあげる回答が多くみられた。また3機関固有の機能としては、商工中金では「長期資金のほかにも短期資金や預金取引ができる」「組合金融への対応」など、中小公庫では「償還年数が長い」「安心して信用できる」など、国民公庫では「商工会議所と連携が取れており相談しやすい」「据置きが長期に設定できる」などの特色があげられた。
 これら機能は3機関の統廃合でどうなると思うかとの設問に対しては、機能が「失われる」(24.0%)、「どちらかというと薄まる」(43.0%)と考える中小企業があわせて67.0%にのぼり、統廃合で各機能が「強まる」(1.9%)、「どちらかというと強まる」(11.5%)とする回答を大きく上回る結果となった。

 このほか3機関の統廃合に関する自由意見では、「3機関がこれまで長年築いてきたノウハウは中小企業金融には不可欠」「3機関は現状でも十分すみ分けされている」「中小企業の資金繰りに悪影響を及ぼす」「そもそも民間にできないことを補完するのが役目のはず。民営化により民間と同じサービスをするようになれば存在価値はなくなる」といった整理・統合などに否定的な意見が多くみられた。