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業況DIは、3カ月連続改善。先行きは懸念材料払拭できず、ほぼ横ばい(LOBO調査2017年5月結果)

 日本商工会議所が31日に発表した5月の商工会議所LOBO(早期景気観測)調査結果によると、5月の全産業合計の業況DIは、▲16.2と、前月から+1.1ポイントの改善。ただし、「悪化」から「不変」への変化が押し上げ要因となったことに留意が必要。インバウンドを含めゴールデンウィークの好調な観光需要からサービス業の業況感が改善した。また、電子部品、自動車関連の堅調な生産・輸出や、建設・設備投資の底堅い推移から、関連商品を扱う卸売業の業況改善を指摘する声が聞かれた。他方、消費者の節約志向や人手不足の影響拡大、原材料・燃料の値上りが依然、中小企業のマインドに影響を及ぼしており、業況改善に向けた動きは力強さを欠いている。
 先行きについては、先行き見通しDIが▲15.9(今月比+0.3ポイント)とほぼ横ばいを見込む。インバウンドを含む消費や輸出の拡大に期待する声が聞かれる。他方、消費の一段の悪化、人手不足の影響拡大、原材料・燃料価格の上昇、地政学的リスクなど、先行きの懸念材料を指摘する声は多く、中小企業の業況感は足踏みが続く見通し。
 項目別では、全産業合計の売上DIは▲11.2と、前月から悪化。産業別にみると、サービス業で改善、製造業でほぼ横ばい、その他の3業種で悪化した。
 全産業合計の採算DIは▲12.8と、前月から改善。産業別にみると、建設業、卸売業、サービス業で改善、製造業でほぼ横ばい、小売業で悪化した。
 全産業合計の資金繰りDIは▲8.4と、前月からほぼ横ばい。産業別にみると、製造業、卸売業、サービス業でほぼ横ばい、その他の2業種で悪化した。
 全産業合計の仕入単価DIは▲29.6と、前月から改善。産業別にみると、建設業、卸売業、サービス業で改善、その他の2業種でほぼ横ばい。
 全産業合計の従業員DI20.3と、前月からほぼ横ばい。産業別にみると、建設業、サービス業で人手不足感が弱まり、卸売業で人手不足感が強まった。その他の2業種ではほぼ横ばい。 
 なお、今月の付帯調査は、「2017年度の設備投資の計画」について実施。
 詳細は、LOBO調査ホームページ(https://cci-lobo.jcci.or.jp/)を参照。